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「シーズンOPS」の歴代トップ20。上位の6人は三冠王と60本塁打。今世紀のトップ20は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
柳田悠岐 JULY 31, 2021(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 2リーグ制となった1950年以降のシーズンOPSトップ20は、その過半数を王貞治が占める。また、歴代最高のOPS1.293を記録した、1974年の王をはじめ、上位の6人中5人は三冠王だ。あとの1人、2013年のウラディミール・バレンティンは、60本のホームランを打った。この年のOPS1.234は、歴代5位に位置する。

筆者作成
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 OPSは「出塁率+長打率」。出塁率は「(安打+四球+死球)÷(打数+四球+死球+犠飛)」、長打率は「塁打÷打数」だ。犠牲フライ(犠飛)の本数が不明の1950~53年は、0本として計算した。1950年の小鶴誠(1.179)の場合、犠牲フライが15本でもOPSは1.168なので、トップ20にランクインする。一方、1951年の大下弘(1.169)は、同じ本数だとOPS1.151になる。15本の犠牲フライは、1954年以降のシーズン最多だ。1970年に大杉勝男が記録した。

 ここで取り上げているような、極めて高いOPSには、パワーが不可欠。1950年の小鶴と1951年の大下を含む22人は、いずれも、そのシーズンに本塁打王を獲得している。それに対し、首位打者は10人だ。

 例えば、イチローは、OPS1.000以上のシーズンが一度もなかった。2000年の.999が最も高い。ちなみに、この年のパ・リーグでは、シャーマン・オバンドー(1.051)とフランク・ボーリック(1.000)の2人が、イチローを上回った。

 王は、1963年から1978年まで、16シーズン続けてOPS1.000以上を記録した。より正確に言えば、1.020以上だ。このスパンでは最も低い1975年でも、1.024だった。なかには、リーグ1位ではなかったシーズンもあるが、1970年と1972年のセ・リーグは、王を除くと、OPS1.000以上どころか、OPS.900以上の選手すらいなかった。王は、1970年が1.189、1972年は1.089だ。

 今世紀に入ってからのシーズンOPSトップ20は、以下のとおり。

筆者作成
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 柳田悠岐(福岡ソフトバンク・ホークス)は、2015年の1.101が9位、2018年の1.092が12位、2020年の1.071は20位だ。この他、トップ20には入っていないものの、2017年も1.016を記録した。2010年以降のパ・リーグにおけるシーズンOPS1.000以上は、柳田が4度、それ以外は皆無だ。

 なお、2003年のロベルト・ペタジーニは、規定打席未満ながら、OPSは1.139。規定打席に足りない分を20打数0安打とした場合、1.079となる。

 シーズン出塁率の歴代トップ20については、こちらで書いた。OPSと同じく、1974年の王が1位だが、2位以降は違いがある。

「「シーズン出塁率」の歴代トップ20。半数は王貞治だが、現役選手も2人ランクイン」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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