球団別・契約総額トップ。4球団が3億ドル以上の一方で、5球団は1億ドル未満
ケビン・ブラウンがロサンゼルス・ドジャースと契約し、メジャーリーグ初の1億ドル・プレーヤーが誕生してから、21年が経つ。今では、総額1億ドル以上の契約はそう珍しくなく、昨オフは7人を数えた(「1億ドル以上の契約を手にした7人の「1年目」。3億ドルのFAはどちらも期待外れ!?」)。
ただ、それぞれの球団が選手と交わした契約の最高額には、かなりの差がある。ロサンゼルス・エンジェルスをはじめ、4球団の最高額は3億ドル以上だ。それらを含め、約半数の14球団は2億ドルを超える。一方、ピッツバーグ・パイレーツなど5球団は、7500万ドル以上の契約を一度も交わしたことがない。「今オフの「トレード候補ビッグ3」。ベッツ、リンドーア、ブライアントのうち、最も移籍しそうなのは…」でも書いたとおり、クリーブランド・インディアンズはフランシスコ・リンドーアに1億ドルの延長契約を提示し、断られたことがあるが、他の4球団はそういう話も聞かない。
各球団における契約総額トップのうち、6球団の選手は、今シーズンあるいは来シーズンが契約1年目だ。マイク・トラウト(エンジェルス)、ブライス・ハーパー(フィラデルフィア・フィリーズ)、マニー・マチャド(サンディエゴ・パドレス)、ノーラン・アレナード(コロラド・ロッキーズ)は、今シーズンが1年目だった。ポール・ゴールドシュミット(セントルイス・カーディナルス)とヤズマニ・グランダル(シカゴ・ホワイトソックス)の契約は、来シーズンから始まる。
一方、この契約期間中にトレードで放出された選手は8人いる。そのなかで、契約の残りが1年以下となってからのトレードは、エドウィン・エンカーナシオン(現FA)だけだ。昨オフ、3年6000万ドルの2年目を終えたエンカーナシオンは、三角トレードでインディアンズからシアトル・マリナーズへ。その半年後にも、トレードにより、マリナーズからニューヨーク・ヤンキースへ移った。
他の7人は、トレードの時点で2年以上の契約が残っていた。2017年のオフにマイアミ・マーリンズからヤンキースへ移ったジャンカルロ・スタントンに至っては、契約3年目を終えたところで、残りは10年もあった。来シーズン終了後、スタントンは契約を打ち切ってヤンキースからFAになれるが、そうする可能性は低い。また、この契約にはトレード拒否権もついているので、ヤンキースはスタントンの了承なしにトレードで放出はできない。