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石渡が高校講演で長崎国際を出して東北主要私大を紹介しなかった理由~教育広報担当者が知ると得する話・9

石渡嶺司大学ジャーナリスト
(写真:イメージマート)

◆石渡、全国の高校で進路講演

知っている人は多くないかもしれないが、私の仕事の一つが高校での進路講演である。

地域や高校の難易度、内容はバラバラだ。

地域だと、今年は青森から沖縄まで。高校は進学校から進路多様校まで。内容は入試の変化解説から高卒就職や短大・専門学校進学、あるいは保護者向けマネープラン講座などもある。

今年はすでに約70回、実施した。

最近は「進路講演のイオン・ドン・キホーテ」を自称する今日この頃である。

講演は自分で言うのも何だが、生徒・教員からも評判がいい。

理由の一つがご当地・高校ネタだ。その高校のある地域のご当地ネタ、あるいは、その高校の主な進学先・就職先を例に出す。

生徒が意識している進学先や就職先の話をすれば、少しでも講演を我が事としてとらえて貰える。

他にも受ける理由は複数あるが、本題ではないのでおくとしたい。

なお、高校での進路講演のご依頼は直接でもいいが、キッズ・コーポレーションやライセンスアカデミーなど、進学情報会社の方が話は早い。出入りの営業担当者にお声がけいただきたい。

◆長崎国際、名古屋学院を出して東北の主要私大を出さず

進路講演では前記の通り、講演高校の進学先などを調べたうえで紹介するようにしている。

たとえば、オープンキャンパスの使い方についてリクエストがあれば、できるだけ、近隣の大学を紹介するようにしている。

例えば、3月に佐賀学園高校で講演した際は、進学者がいたので長崎国際大学のオープンキャンパスを紹介した。

7月に愛知県・一色高校の分野別ガイダンス(経済・経営学)で講演した際は名古屋学院大学、愛知工業大学、中京大学など愛知県の私大オープンキャンパスの日程も紹介した。

別に進学情報会社から依頼があったわけでもないし、高校からの依頼でもない(たまに、系列大学のオープンキャンパス等を紹介してくれ、という依頼は、ある)。

付言すれば、大学広報からの依頼でもない。そもそも、長崎国際大学なり名古屋学院大学なりは、石渡が佐賀学園高校や一色高校で講演したことも、自校の紹介を受けたことも知らないはずである。

私がこれらの大学を紹介した理由、それは、その高校で進学者が多いから、という事情から、その一点のみである。

ところが、同じ高校講演でも東北では事情が変わる。

同じようにオープンキャンパスの使い方などを盛り込むよう、リクエストがあっても、東北の私大はほぼ講演に盛り込むことができなかった。

それはなぜか。

◆情報がない以上、紹介も何もない

理由はこちらも簡単だ。

講演時期の間近に大学サイトを見ても、オープンキャンパスの情報が出ていないからである。

ひどい大学だと、6月になっても7・8月の予定すら出していない。

こちらも講演の資料はぎりぎりで作成している。

サイトに出ていれば、長崎国際大学などのようにいくらでも紹介のしようがある。

しかし、サイトに出ていないと、これは紹介のしようがない。

記事や本の原稿でがっちり出すなら取材依頼をかけるところだ。

その点、講演でちょっと紹介する程度で、電話確認の手間など掛けてはいられない。

それと、今までの経験則から言っても、サイトで情報を出せない大学が電話でわざわざ答えてくれるわけがない。そういう親切心があるなら、そもそも、サイトに出しているはずだ。

確認の電話をかけたところで、どういう事情なのか、あれこれ聞かれて時間が潰れる、たらいまわしになる、というオチしか読めない。

かくて、東北での講演ではなぜか、東北の主要私大のオープンキャンパスを一切、紹介できていない。

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大学ジャーナリスト

1975年札幌生まれ。北嶺高校、東洋大学社会学部卒業。編集プロダクションなどを経て2003年から現職。扱うテーマは大学を含む教育、ならびに就職・キャリアなど。 大学・就活などで何かあればメディア出演が急増しやすい。 就活・高校生進路などで大学・短大や高校での講演も多い。 ボランティアベースで就活生のエントリーシート添削も実施中。 主な著書に『改訂版 大学の学部図鑑』(ソフトバンククリエイティブ/累計7万部)など累計31冊・65万部。 2023年1月に『ゼロから始める 就活まるごとガイド2025年版』(講談社)を刊行予定。

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