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もっと野球を楽しもう!ファーストグローブではじめてのキャッチボール―アシックスとBCリーグの取り組み

土井麻由実フリーアナウンサー、フリーライター
柔らかく、左右両用である「ファーストグローブ」
参加してくれたのはコウくん、バニラさん、ヒロキくん、ショウくん、タカヒロくん
参加してくれたのはコウくん、バニラさん、ヒロキくん、ショウくん、タカヒロくん

■アシックス社が開発した「ファーストグローブ」

 キャッチボールって、こんなに楽しいんだ。野球って、こんなにも夢中になれるんだ―。そんなことを改めて感じさせてくれるイベントだった。

ちびっこたちとキャッチボールする筒井翔也選手
ちびっこたちとキャッチボールする筒井翔也選手

 アシックス社BCリーグとタッグを組んで毎夏開催している「ASICS DAY(アシックスデー)」では、BCリーグ各チームの本拠地を巡るキャラバン隊が、さまざまな「野球のおもしろさ」を提供してくれている。

 今年の「ASICS DAY 2019~はじめてのキャッチボール~」は福井ミラクルエレファンツの本拠地のひとつであるフェニックススタジアムを皮切りに、BCチーム本拠地を数ヶ所回る。

ファーストグローブ
ファーストグローブ

 イベントの“目玉”は、「ファーストグローブ」というアシックス社が開発したグローブを使ってのキャッチボールだ。

 非常に柔らかい素材でできているこのファーストグローブは、小さい子どもの軽い力で簡単に開閉できるので、初めてでも怖がらずにキャッチボールができる。

筒井翔也選手
筒井翔也選手

 形はシンメトリーで左右どちらの手にもはめられる。鍋つかみに似ていなくもない。実はこの形自体は、メジャーリーガーのダルビッシュ有投手のリクエストが元になっているという。

 体のバランスを整えるために左手でもキャッチボールをするダルビッシュ投手が、両利き用のグローブを作ってほしいと言ったことからこの形ができた。それを柔らかい素材にアレンジして仕上げたものが「ファーストグローブ」と名付けられ、7月末から販売もしている。

■福井ミラクルエレファンツでは・・・

外野の芝を思いっきり走り回る
外野の芝を思いっきり走り回る

 さてフェニックススタジアムでの「ASICS DAY」は8月12日に行われた。茨城アストロプラネッツとの一戦を終えた後、木下裕揮選手筒井翔也選手が外野に現れた。

 そこにはファーストグローブを手にしたちびっこ5人がわくわくした表情で、これから始まるイベントに胸を高鳴らせ待ち構えていた。

怖くない!
怖くない!

 まず、選手が投げるボールを追いかけ、ファーストグローブでキャッチ。グローブを開閉させてうまく捕る。初めてなのにとても簡単に使えちゃうので、子どもたちも楽しくてしかたない。大きな歓声を上げながら、外野の芝をところ狭しと走り回る。

 ときにグローブを右にはめたり左につけかえたりしながら、どちらの手でもみごとにキャッチしている。

画像

 「小さい子どもは右投げ左投げが決まっていない。右も左も両方やることでバランスがよくなる」と話すのはアシックス社ベースボール事業部・新規販売チームの根岸弘氏だ。同チームの山田将太氏とのコンビで「ASICS DAY」の活動をしている。

 「グローブを使ってのキャッチボールをしたことない子にとっては、硬いグローブというのは怖い。これだと怖くないだけでなく、開閉しやすいので簡単に捕れる。“捕れた実感”というのは嬉しいものなので、これが『野球っておもしろい』につながっていくと思う」。

 そう言いながら、両氏ともに子どもたちの姿に目を細める。

ゲーム形式
ゲーム形式

 さて外野では、そのうちキャッチボールだけでは飽き足らなくなってきたのか、野球のゲーム形式の遊びが始まった。選手たちが自主的に考えてくれたようだ。

 投手役と打者役に分かれ、途中から現れた工藤祐二朗選手が審判役を引き受けた。投げて打って走って…子どもたちはケラケラと笑いながら、芝生の上を転がりまくっている。

ゲーム形式
ゲーム形式

 見守っていた親御さんたちも、我が子の生き生きした姿に「こんな楽しめるイベントをしていただいて…」と感激の面持ちだった。

 このファーストグローブは子どもだけでなく、親子でのキャッチボールとしても楽しめる。親子で、家族でのコミュニケーションツールとして役立てるのもいいだろう。

筒井選手も上手にキャッチボールができましたか…?(笑)
筒井選手も上手にキャッチボールができましたか…?(笑)

 「子どもたちは本当に楽しんでキャッチできていた。こうして選手が協力してくれることが重要で、子どもたちにとっては選手と触れ合うことで、いい思い出になる」と根岸氏。

 “キャラバン隊”として、ともに各地を回っているBCリーグ事務局の吉川孝介氏も「1人でも多くの子どもに野球を楽しんでもらいたい。選手に協力していただいていることの意味も大きい。子どもたちは選手と一緒にできたことに感動するし、心に残る。こうして野球は楽しいんだと思ってもらいたい」とうなずく。

■野球の競技人口を増やしたい

ネットに向かって投げると、球速が表示される。トライしたのは上庄野球スポーツ少年団のみなさん
ネットに向かって投げると、球速が表示される。トライしたのは上庄野球スポーツ少年団のみなさん

 「ASICS DAY」の一番の目的は、野球の普及だ。野球関係者はみな、危機感を抱いている。昨今、野球の観戦人口は増えている一方で、競技人口は減り続けている。野球のおもしろさを広め、競技人口を拡大するための施策が必須である中、「ASICS DAY」は「1人でも2人でも野球人口を増やせるように」という草の根活動なのだ。

 「BCリーグさんが場を提供してくれる。力を借りて、1人でも多く野球を楽しんでほしい」と根岸、山田両氏は力を込める。野球は観るのも楽しいが、やってみるともっとおもしろいということを伝えたいという。

鈴木誠也選手が実際に着ていた侍ユニフォーム
鈴木誠也選手が実際に着ていた侍ユニフォーム

 「ASICS DAY」ではファーストグローブでのキャッチボールのほか、球場外にブースを設置し、「スピードガン計測」や「アシックス契約選手の用具展示」も行っている。

 「最初は遠巻きに見ている子どもたちも、一度やると何回も何回もやりたがる」というスピードガンの計測。わかりやすく表示される球速に、「もっと速い球を投げてやる!」とムキになるようだ。

 また、展示されているホンモノの侍ジャパンのユニフォームを見て、その大きさに驚きの声を上げる子どももいた。

 これらはすべて“野球への入口”になっている。

夢中で遊んだ
夢中で遊んだ

 ファーストグローブでのキャッチボールを中心とした「ASICS DAY 2019~はじめてのキャッチボール~」の開催は、BC各チームの本拠地で今後も続く。近くに住んでいる方はぜひ参加して野球の、そしてキャッチボールの楽しさを味わってみてほしい。

(詳細はBCリーグや各チームのSNSでご確認を。)

最後はみんなでキャッチャーポーズ
最後はみんなでキャッチャーポーズ

(撮影はすべて筆者)

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フリーアナウンサー、フリーライター

CS放送「GAORA」「スカイA」の阪神タイガース野球中継番組「Tigersーai」で、ベンチリポーターとして携わったゲームは1000試合近く。2005年の阪神優勝時にはビールかけインタビューも!イベントやパーティーでのプロ野球選手、OBとのトークショーは数100本。サンケイスポーツで阪神タイガース関連のコラム「SMILE♡TIGERS」を連載中。かつては阪神タイガースの公式ホームページや公式携帯サイト、阪神電鉄の機関紙でも執筆。マイクでペンで、硬軟織り交ぜた熱い熱い情報を伝えています!!

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