なぜホームスタジアムのない新宿の異色サッカークラブ「クリアソン新宿」がJFL昇格を決めることができたのか
東京都新宿区に本拠地を置き、23区内で初のJクラブを目指すCriacao Shinjuku(クリアソン新宿)が、J1から数えて4部に当たるJFLへの昇格を決めた。 JFL・地域リーグ入れ替え戦が18日に行われ、名古屋市港サッカー場では今シーズンの関東サッカーリーグ1部、全国地域サッカーチャンピオンズリーグを立て続けに制したクリアソンがJFL最下位のFC刈谷と対戦。J3のカマタマーレ讃岐などでプレーした、MF池谷友喜(26)の先制弾を皮切りにゴールラッシュを演じて4-0で快勝した。 サークル活動を引退した大学4年生が集うコミュニティーとして、2005年に創設されたクリアソンは2009年からサッカークラブとして本格的な活動を開始。2018年からは活動拠点の新宿区とともに歩む決意を込めていま現在のチーム名に改称し、理念に賛同したJリーガーが数多く集ってきたなかで夢への階段を一気に駆け上がった。 延岡市西階総合運動公園陸上競技場で行われたもう1試合ではJFL・16位のホンダロックSCが、名古屋グランパスの小倉隆史元監督に率いられるFC.ISE-SHIMA(東海社会人サッカーリーグ1部)を3-2で振り切ってJFL残留を決めた。
FC刈谷とのJFL・地域リーグ入れ替え戦に4-0圧勝
7月末までに4つの黒星を喫し、5位に甘んじていた前半戦から一転、8月以降の後半戦を破竹の11連勝でフィニッシュ。昇格2年目の関東サッカーリーグ1部を、大逆転でクリアソンが制してからまだ2ヵ月ちょっとしかたっていない。 その間に行われた、全国9地域のリーグ戦王者を含めた12チームが頂点を競う全国地域サッカーチャンピオンズリーグでも優勝。挑戦権を得た刈谷とのJFL・地域リーグ入れ替え戦も、勢いをそのまま持ち込んで4-0のゴールラッシュで制した。 右肩上がりの軌跡を描きながら手にした、頂点から数えて4部にあたるJFLで来シーズンから戦える切符。クリアソンの創設者であり、代表を務める37歳の丸山和大が自身のツイッター(@criacaomaru)で呟いた言葉がすべてを物語っていた。 「長い一年でしたが、本当にたくさんの皆様の支えのおかげで、幸せな時間を過ごすことができました! クラブメンバーは本当に喜怒哀楽様々な感情と向き合いながら、尋常ではないことを仲間と繋がり続け、やりきってくれました! 心からの感謝」(原文ママ) クリアソンの原点には、サッカーに注がれる愛があった。