FC東京はミクシィの経営権取得でどう変わるのか?
J1のFC東京を運営する東京フットボールクラブ株式会社は10日に臨時株主総会を開催し、IT大手の株式会社ミクシィ(本社・東京都渋谷区、木村弘毅社長)が、来年2月1日から新たに経営権を取得することを全会一致で承認した。 同日午後には東京・文京区のJFAハウスで木村社長、ミクシィの川岸滋也スポーツ事業部長、FC東京の大金直樹社長が記者会見に臨み、ミクシィがFC東京を子会社化した経緯や今後の運営方針などが説明された。新体制下の社長には川岸氏が就任する。 新監督として今シーズンまでJ2のアルビレックス新潟を2年間指揮した、スペイン出身のアルベル・プッチ・オルトネダ氏が就任することも決定。首都にふさわしいビッグクラブを目指すFC東京が、ピッチの内外で大きな転換点を迎えた。
「クラブの可能性を広げるチャンス」
日本サッカー協会やJ リーグなどが事務局を構える日本サッカー界の総本山、JFAハウスで行われた記者会見のタイトルがすべてを物語っていた。 「FC東京を運営する東京フットボールクラブのミクシィグループへの参画」 東京フットボールクラブ株式会社の総意として、IT大手のミクシィの子会社になった。2015年2月に第5代社長に就任し、いま現在に至る大金氏は会見でこう語った。 「クラブの可能性を大きく広げていく上で、こんなチャンスはないと思っている」 今回の経緯を把握するには、戦前の1935年に設立された東京ガスフットボールクラブを前身とする、1999年にJリーグへ加盟したFC東京の歴史を知る必要がある。 東京フットボールクラブの設立にあたっては、東京ガスなど161もの団体が出資した。特定企業の影響を受けない、という方針が貫かれてきたなかで、東京ガスは母体ではあるものの持ち株比率は数%程度で、実は親会社ではなかった。 いま現在は370超の株主が出資するなかで、7社が経営における中核を担っている。東京ガス、三菱商事、三井物産、清水建設、きらぼし銀行、東京メトロポリタンテレビジョン、そして2018シーズンに株主およびスポンサーになったミクシィだ。