なぜ横浜FCは三浦“カズ”に対するセルジオ越後氏の発言に正式抗議したのか…事実誤認の不適切発言を謝罪も
来シーズンへの動向が例年以上に注目されている54歳の現役最年長Jリーガー、FW三浦知良の現役続行を巡る是非が思わぬ場外戦を招いた。 横浜FCは15日、所属するカズとの契約に関して、サッカー評論家のセルジオ越後氏が配信した動画のなかで「事実と著しく異なる内容があった」として、セルジオ氏の公式サイトおよびYouTubeの運営会社へ厳重に抗議したと発表した。 同氏は3日に公開した動画で、カズがCMに出演して得た収入を財源として横浜FCが戦力をアップさせているなどと発言。横浜FCは小野寺裕司会長CEO名で事実無根であると真っ向から反論し、さらに「このままでは虚偽の内容が拡散されることにより当クラブの名誉が著しく毀損される」と遺憾の意を表した。 同日夜には同氏が新規動画を急きょ公開。そのなかで横浜FCから受けた抗議に対して「不適切な発言は本当に反省し、申し訳ないと思っています」と頭を下げながら、同時に「ここ何年も試合にほとんど出ないし、得点もしない。他のチームは厳しいのに、なぜ横浜FCはあれだけカズをかばうのか」とあらためて疑問を投げかけた。
発端は「彼がCMに出てクラブにお金が落ちる」の事実誤認
55歳になる来シーズンも現役続行への意欲を燃やしている最年長Jリーガー、カズの動向を巡る是非が思わぬ場外戦を招いた。カズが所属する横浜FCは15日午後に、クラブの公式ウェブサイト上で声明を発表。タイトルはこう綴られていた。 「セルジオ越後氏のYouTube動画発言に関して」 横浜FCが問題視した動画は今月3日に、サッカー評論家のセルジオ氏が自身の公式YouTubeチャンネル「蹴球越後屋」で配信していた。 タイトルに「辛口激励!」「カズよ、裸の王様になるな!」と綴られた約8分半の動画のなかで、同氏は横浜FCとカズとの契約に対して「雇っている側の責任問題」とクラブ側の姿勢を批判。その上でこんな持論を展開していた。 「彼がCMに出てクラブにお金が落ちる」 「それが財源になって戦力がアップする」 「彼がいなくなったら横浜FCは大変なことになる」 「ただ、お金が入ればいいだけだったら、ちょっと利用されているみたい」 「プレーヤー以外の価値観で彼を置いていることに、ちょっとどうかと思いますよね」 動画内ではこれらの発言が、テロップでさらに強調される形で配信された。こうした点にも不快感を募らせた横浜FCは、運営会社である横浜フリエスポーツクラブの小野寺会長CEO名で発表した声明で、カズのCM出演を介してクラブ側が収入を得られる契約は「一切していない」と指摘。事実と著しく異なると真っ向から反論した。 「あたかも当クラブが三浦選手のCM収入等の財源として戦力をアップさせようとし、三浦選手を利用しているかの印象を与える内容を強調して配信しており、当クラブとしてはこの指摘については大変遺憾であり、このままでは虚偽の内容が拡散されることにより当クラブの名誉が著しく毀損されるものと考え、やむなく本リリースをさせていただくことといたしました」(原文ママ)