「西武は名古屋に移転すべき」3年連続最下位の中日は“ライバル球団”が必要…江本孟紀がズバリ提案「(西武から)移籍を思いとどまる選手も出てくる」
2022年に中日ドラゴンズの監督に就任。チーム低迷の立て直しを期すも、3年連続最下位に終わり、今シーズンで退任した立浪和義。「ミスタードラゴンズ」は、なぜ監督として成功しなかったのか。その理由を考察した野球解説者・江本孟紀氏の新刊『ミスタードラゴンズの失敗』(扶桑社)より抜粋して紹介する。第2回は、中日に必要な“名古屋のライバル球団”。〈全2回の2回目〉 【レア写真】「まるで美白アイドル」立浪和義、「はじめて見た!」松井稼頭央…2人のカワイイPL学園時代。「パンチパーマかっこよすぎ」江本孟紀の若き頃など記事写真を一気に見る
私の提案「名古屋にもう一球団」
名古屋は住むには便利な位置にある。私の息子家族が名古屋に住んでいるので、解説の仕事以外でも時折訪れるのだが、新幹線の「のぞみ」で名古屋から東京まで1時間30分をちょっと超えるくらい、新大阪までだと50分を切る。東京よりも大阪寄りの場所であることは間違いないが、新幹線に乗ってしまえば、長い距離に感じることはまずない。 ドラゴンズは名古屋市内にバンテリンドームがあるので便利であることは間違いないが、私は名古屋にあえてもう一球団誕生させてみてはどうかと思う。 2024年シーズンから二軍の新球団として「ハヤテ223」が誕生したが、ハヤテの本拠地であるちゅ~るスタジアム清水のある静岡市清水区は、はっきり言って交通の便が悪い。東京であれ、名古屋であれ、このスタジアムに行くには、静岡駅で下車して、さらに在来線で清水駅まで乗り継いでいく。仮に東京から清水駅に行くならば、逆方面に戻ることになる。 さらに駅からスタジアムまでは約5キロと、徒歩で向かうには無理がある距離だ。タクシーやバスなどを利用し、ようやくスタジアムに到着するのだから、着くまでにとてつもない労力を費やしてしまうわけだ。 けれども名古屋は違う。新幹線、在来線、私鉄、地下鉄と、すべての鉄道が集うターミナル駅である。中京圏随一の規模を誇る駅に球場があるのは、選手はもちろんのこと、観客にとっても利便性が高く、野球観戦にはうってつけの立地ではないか。 そこで私が考えているのは、現在ドラゴンズの二軍が使用しているナゴヤ球場を本拠地として、他の球団を招聘すればいいんじゃないのか、ということだ。新幹線からも見えるこの球場は、株式会社ナゴヤドームが管理者となっているが、新球団が名古屋に来た暁には、所有者を新球団に変えてしまうのだ。しかるべき費用を払ってでも進める価値があると私は見ている。 野球は個人の趣味・娯楽を超えて、日本の文化の一つと言ってもいい。老若男女が楽しめるキラーコンテンツである。手軽な料金で入場チケットを買い、野球を見終わってから、繁華街で飲食をして帰宅……。そうした行動パターンを考えると、日本を代表する都市のひとつであり、なおかつ交通網の発達している名古屋は、理想郷のような場所と言えよう。 もしそうなれば、昔から老舗球団として地域に定着している中日とて、安閑としてはいられない。お尻に火がついて、本当の意味で「チーム強化をしなければ、あとからきた球団に人気、実力ともに追いていかれる」と危機感を持つようになるかもしれない。
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