井岡一翔がタトゥー問題の米メディア報道と拡大解釈の誤訳記事に困惑…「インタビューは一切受けていない」
プロボクシングの4階級制覇王者でWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(31、Ambition)が、「タトゥー問題」について米のボクシング専門サイト「ボクシング・シーン」が、井岡の“反論”とも取れる記事を掲載したことと、それを拡大解釈した訳文を日本の複数メディアが記事化したことに困惑している。米サイトの記事は日本の複数のメディアで「インタビューに答えた」「思いを明かす」などと翻訳して紹介されたが、実際には過去のインタビューの引用で、今回、取材を受けたものではない。井岡陣営は「海外も含めどこのインタビューも一切受けていないし、答えてもいない」と全否定した。誤訳された記事が独り歩きするという現在のネット社会の課題を浮き彫りにしたような問題。週明けにもJBC(日本ボクシングコミッション)は倫理委員会を開き正式な処分を下すことになっている。
報じる側のモラルが疑われる事態
井岡の「タトゥー問題」は、ついに報じる側のモラルが疑われる事態にまで発展した。現地時間7日(日本時間8日)に米のボクシング専門サイトの「ボクシング・シーン」が、JBCルールに抵触し、処分の対象とされている「タトゥー問題」を取り上げて井岡の“反論”とも取れる数多くのコメントを掲載した。さらに、その記事を日本の一部のメディアが翻訳して「インタビューに答えた」「思いを明かす」「心境語る」などと記事化したが、実は、井岡は「ボクシング・シーン」のインタビューを受けてもおらず、当然、答えてもいない。 井岡陣営の説明によると「ボクシング・シーン」から井岡の海外の交渉などを任せている担当者に「今回の問題についての井岡の意見があれば教えて欲しい」との依頼があり、正式な処分が出ていない段階でインタビューには応じられないことを伝えたが、「過去のコメントでもいいので」という話になったため、その担当者が、昨年の8月に井岡がYouTubeにアップして語っていたタトゥーに関する持論などを英語に翻訳して渡した。 「ボクシング・シーン」は、そのコメントをもとに記事を作成。 「ボクシングとは何の関係もない。私はこのルールを崩したいと思っている」 「ボクシングを見ている人はタトゥーではなく、リングでのアクションに焦点を合わせている」 「日本に住み(日本の)ジムに所属する入れ墨を持つ外国人ボクサーは、それを隠すことなく戦うことが許されている。矛盾したルール。禁止するなら全員を禁止すべき」 「JBCが禁じるなら海外で戦う」 などの反論、問題提起とも取れる井岡の声を掲載した。 ただ「ボクシング・シーン」の記事をよく読むと「Ioka explained to BoxingScene.com, as translated by international manager Taku Nagashima」と書かれており、「国際マネージャーの翻訳によってボクシング・シーンに説明した」とされているが、決して「今回インタビューに答えた」とは書いていない。