37歳・織田信成は涙→涙→笑顔の有終4位 波乱万丈のスケート人生「あと20歳、若返れたら…」【全日本フィギュア】
全日本選手権・男子フリー 現役続行はなしと強調
フィギュアスケートの全日本選手権は21日、大阪・東和薬品RACTABドームで男子フリーが行われた。ショートプログラム(SP)5位の37歳・織田信成(大阪スケート倶楽部)は150.15点、総合234.68点の4位となり、現役最後の全日本を終えた。2013年に一度は引退し、22年に復帰した大ベテラン。11年ぶり出場の大舞台でスタンディングオベーションを浴びた。競技から離れる決意は変わらないが「あと20年、若返れたらいいのにな」とちょっぴり未練も。1月の国民スポーツ大会冬季大会(旧冬季国体)が、正真正銘の現役ラストダンスとなる。 【画像】37歳織田信成の演技に観客が総立ちになった実際の様子 最後の全日本。フリーで最終組に名を連ね、今大会主役の一人になった織田がありったけの感謝を全身で表現した。 冒頭の4回転トウループで転倒。それでも焦らず、3回転ルッツ、3回転アクセルなど美しく決めていく。熟練のスピン、ステップも一つ一つの動きに想いを込めて滑り切り、演技後は観客がスタンディングオベーション。地元・大阪で万雷の拍手を浴びた。 掲げていた左手を下ろし、跪いたまま感触を確かめるかのようにリンクに触れる。その間も拍手は止むことはない。90度以上に腰を曲げ、深々と四方に一礼。「感謝の気持ちを最後にお礼に込めて(お辞儀を)してました」。リンクを降りると母・憲子コーチと抱き合った。 前回出場の11年前と同じ4位。「入賞できてよかった。まさか同じ位置にいるなんて……という信じられない気持ち。若い選手と今回戦うことができて、11年ぶりに味わうヒリヒリとした緊張感の中で滑らせてもらうことができ、いろんないい経験ができたと思います」。19日の公式練習、20日にマツケンサンバ2を熱演したSPと2日連続で涙。この日は零れ落ちるものはなく、笑顔だった。 目は潤んでいたが、決して強がりじゃない。大会前に口にしていた「ジャンプが決まろうが決まらなかろうが、結果がどうであれ最高の笑顔で終われる大会にしたい」の目標は、間違いなく達成した。