岸田首相が会見 第2次内閣が発足(全文1)就学継続のための緊急給付金10万円を支給
成長と分配の好循環をどう実現するのか
NHK:幹事社を務めますNHKの長谷川と申します。成長と分配の在り方について伺います。新しい資本主義実現会議の緊急提言では、成長に向けて科学技術への投資強化やクリーンエネルギーへの転換推進などが盛り込まれました。また、分配戦略では、賃上げに積極的な企業に対して手厚い税制支援を行うことなどが盛り込まれました。いずれも成長と分配の柱となる一方で、これまでの政権でも重視されてきた政策でもあります。岸田内閣として、どう実効性を高めて、成長と分配の好循環をどのように実現していくお考えでしょうか。 岸田:従来との違いということでご質問いただいたんだと思いますが、要は従来の取り組みに一工夫、二工夫加えることによって具体的な結果に結び付ける、こうした努力が重要であると思っています。 例えば科学技術・イノベーションという取り組みについても、10兆円の大学ファンドを設けて支援するということを申し上げました。従来のファンド、4.5兆円程度しか積み上がっておりませんでしたので、これを10兆円に拡大し、しっかり支援の体制をつくる、このことは大事だと思いますが、それに加えて、この資金を受ける大学自体のガバナンス改革もしっかり進めていかなければならない。 例えば研究と経営の分離といった大学改革、こうしたことを進めることによって、若手研究者がより研究に専念できる体制をつくっていくことができると思っています。こうしたファンド等における資金の援助と併せて、大学改革等の組織制度の改革も併せて行うことによって、結果につながっていくと、このように思っています。
スタートアップのため、上場制度見直しも
それ以外にも、例えばクリーンエネルギーについても、資金面での支援、引き続き申し上げているわけですが、資金面で支援するだけではなくして、例えば蓄電池ですとか、水素とか、更にはアンモニアといった新しい課題におけるマーケット、市場、これはどういった方向性でどのぐらいの規模を考えているのか。こうした大きな枠組みについて、政府としてもしっかりと示していく。 さらにはCO2の規制についても、どういった規制を考えているのか。具体的な内容をしっかり示していくことが、資金的な支援と相まって民間の投資をより大きくしていく、こういった結果につながるのではないか、このようにも思っていますし。 さらには、この経済の成長を考えた際に、スタートアップ、これは大変重要であるということを申し上げてきました。これは従来からもいわれていましたし、これからも大事だと思いますが、このスタートアップの支援についても、ファンドとか大企業の支援、もちろん大事ですが、例えばスタートアップ自身の資金調達。例えば今の上場の制度を考えましても、十二分にスタートアップ自身が、資金調達の結果を得ることができていないのではないか、様々な改正が必要ではないか、こういった指摘があります。このスタートアップ自身の資金調達のために上場制度も見直していく、こういった取り組みを加えることで結果につながっていく。 さらには、先ほども申し上げましたが、賃上げについても民間の皆さんにしっかりご努力いただくために、賃上げ税制を見直すということを申し上げました。従来も、従来から賃上げ税制、あったではないかという指摘はありますが、従来の賃上げ税制については、人件費総額に視点を当てて評価して、そして控除を行う。こういった仕組みでしたが、それでは1人1人の賃上げにはつながらない。