【図解】新型コロナに5段階の新指標 レベル3で「宣言も」 分科会・尾身会長が発表
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は8日、分科会後に記者会見し、「緊急事態宣言」発出の参考となる新型コロナの新しい指標とレベル分類について説明した。「感染状況も引き続き注視するが、医療ひっ迫の状況により重点を置き、都道府県ごとに状況を評価する」として、0から4までの5段階のレベルを設定。上から2番目に深刻なレベル3では「緊急事態宣言のような強い対策」も想定されるとした。 【動画】新型コロナに5段階の新指標 レベル3で「宣言も」 分科会・尾身会長が発表
普段の生活や経済活動を取り戻すため検討
尾身会長は「これから普段の生活、社会経済活動を取り戻すために新たなレベルの分類を提案し、(分科会で)合意された」と述べた。新しい指標を検討した背景として「ワクチン接種率が70%を超え、医療提供体制の強化、治療薬の開発も進んでいる」「新規陽性者の中でも軽症者の割合が多くなって重症者の入院病床利用率は半分以下に減少している」ことなどを挙げた。 こうしたコロナをめぐる新たな状況に対し、今後の目標は「医療ひっ迫が生じない水準に感染を抑える」ことだと強調。これにより「日常生活の制限を段階的に緩和し、教育や日常生活、社会経済活動の回復を促進すること」を目指すとした。 これまでの指標は、ワクチン接種が進む前の前提でつくられたものであり、主に都市部の新規陽性者数と医療ひっ迫の関係をもとに設定し、全国共通の目安として使用していたが、状況は「都道府県で大きく異なっていた」という事情もあったという。
従来の指標に加え「予測ツール」も活用
新しいレベルは、これまでの4段階の「ステージ」を改め、「レベル0」から最も深刻度の高い「レベル4」までの5段階の「レベル」に分類した。 新規陽性者数や病床使用率など、これまでも活用してきた指標に加えて、新たに開発した「予測ツール」も活用してレベルを判断するとした。 予測ツールとは、感染状況(新規陽性者数)と医療提供体制への負荷の関係を数値モデル化したもので、新規陽性者数やワクチン接種率、感染拡大のスピード、ベッド使用率などを入力するとシミュレーション結果が表示される。ただ感染がどのように拡大するかについて予測するものではないという。