岸田首相が会見 第2次内閣が発足(全文1)就学継続のための緊急給付金10万円を支給
18歳以下1人当たり10万円相当を支援
非正規など経済的にお困りの世帯に対して、1世帯当たり10万円の現金給付を行います。また、コロナ禍で厳しい経済状況にある学生に対しても、就学を継続するための10万円の緊急給付金を支給いたします。困窮されている方々には、このほか生活困窮者自立支援金の拡充など、さまざまなメニューを経済対策において用意いたします。 子育て世帯に対しては、年収960万円を超える世帯を除き、18歳以下1人当たり10万円相当の支援を行います。予備費も活用して、年内にプッシュ型で5万円の現金給付を始めます。その上で、来年春に向けて5万円相当の支援を行います。子育てに有効に活用いただけるよう、クーポン・バウチャー方式を原則とした仕組みといたします。 事業者向けの給付金については、昨年の持続化給付金並みの支援を、事業規模に応じて11月から3月までの5か月分、まとめて一括で給付いたします。雇用調整助成金については、感染が拡大している地域、業況の厳しい事業者の方々向けの特例を3月まで延長いたします。また、最近のガソリン・灯油価格の高騰を踏まえ、農業、漁業など、関係業界やお困りの方々に対する支援を行ってまいります。 続いて経済政策です。新しい資本主義の起動に向けた議論を本格的に動かし始めました。新しい資本主義実現会議において取りまとめた緊急提言の内容を経済対策にもしっかりと盛り込みます。成長のための投資と改革を大胆に進め、その成長の果実を国民の皆さんお1人お1人に実感していただきたいと思っています。そのための新しい分配の仕組みをつくり、動かしていきます。 まずは経済を成長させます。科学技術立国を目指し、10兆円の大学ファンドの年度内の創設と、新たな大学のガバナンス構築のための法改正、ワクチン、そして治療薬の国内開発、生産支援、クリーンエネルギーへの投資に取り組んでまいります。
デジタルを活用した地域活性化への交付金を大規模展開
経済安全保障も重要な成長戦略の柱です。人工知能、量子などの分野で研究開発を複数年度にわたって支援する基金を設け、先端的な重要技術を育成してまいります。サプライチェーンの強靱化や基幹インフラの信頼性確保を進める法案の準備を加速いたします。 成長戦略の中で特に私が力を入れているのがデジタル田園都市国家構想です。デジタルの力を取り込み、地方から新しい時代の成長を生み出します。この具体化に向け、デジタルを活用した地域活性化への交付金を大規模に展開いたします。さらに、デジタルインフラに対する投資を進めてまいります。デジタルを活用する際に障害となる規制改革にも果敢に取り組みます。次期通常国会に、自動運転による自動配送サービスを可能とするための法案を提出いたします。あす以降設置する、デジタル田園都市国家構想実現会議、および、デジタル臨時行政調査会において議論を行い、年末以降、具体策を示してまいります。そして、成長の果実を分配してまいります。官民挙げ、国民お1人お1人の給与を引き上げるための具体的アクションを起こします。 まず、民間部門による分配の強化に取り組んでまいります。給与を引き上げた企業を支援する賃上げ税制について、控除率の大胆な引き上げなど、制度を抜本的に強化し、賃上げを後押しいたします。月内に行う次回の新しい資本主義実現会議において、来年の春闘に向け、賃上げの議論をスタートさせます。私が労使の代表と向き合い、賃上げを促してまいります。 企業の成長と給与の引き上げを両立する鍵は、人であり、人への投資です。働き手がデジタルなどの新しい時代のスキルを身に付けられるよう、人への投資を抜本的に強化するための3年間の施策パッケージを設けます。予算を大胆に投入し、職業訓練や能力開発、正社員化や処遇改善への支援を拡充いたします。女性・高齢者が活躍しやすい職場環境づくりを進めてまいります。 同時に、公的部門での分配を強化いたします。民間における賃上げに先んじて、看護、介護、保育、幼稚園などの現場で働いている方々の給与を増やしてまいります。公的価格評価検討委員会において検討を進めるとともに、まずは経済対策において先立って必要な措置を行い、前倒しで引き上げを実現してまいります。 また、教育、住居費負担の軽減など、子ども・子育て支援策を強化いたします。皆で支え合う、持続可能で安心できる社会保障の構築に向け、全世代型社会保障構築会議の議論を進めてまいります。