「はやぶさ2」カプセルが大気圏突入、夜空に「火球」 JAXA「地球に帰ってきた」
映像:JAXA
探査機「はやぶさ2」から分離された小惑星「リュウグウ」の土砂が入っているとみられるカプセルは6日午前2時半頃、オーストラリア上空の大気圏に突入し、流れ星のように光る「火球」として観測された。午前3時過ぎ、宇宙航空研究開発機構(JAXA)はカプセルが「着地したと思われる」と発表した。 【動画】「はやぶさ2」カプセルが大気圏突入、地球に帰還 JAXAが実況 オーストラリア南部のウーメラ付近に落下したとみられ、現地で待機しているJAXAのチームが回収作業に入る。
はやぶさ2から5日午後2時半頃、高度約22万キロで分離されたカプセルは、秒速11.6キロで大気圏に突入。北西の方角から長い尾を引きながら地上に落ちて行く様子が確認された。天然の流れ星よりは少し遅めの速度だという。 6日午前2時32分頃、現地から「入感」と報告があると、JAXA相模原キャンパスの管制室は歓声とともに拍手に包まれた。入感とはカプセルのパラシュートが無事開き、電波を発信したことを意味する。 久保田孝・宇宙科学研究所研究総主幹は「このミッションは着地して回収するまでだが、(カプセルが)地球に戻ってきたと考えていい」との認識を示した。 さらに同3時7分頃、カプセルからの電波が途絶え、着地点の推定が終わった。久保田氏は「着地したと思われる。まだ暗いのでヘリコプターでライトを当てて見る」と述べ、これから回収に向かうとした。カプセルにはリュウグウの土砂や地下物質が入っているとみられ、それらを分析することで太陽系や生命の起源の解明につながることが期待されている。久保田氏は「カプセルが地面に降りているのを見て、蓋を開けて“宝物”があるのを楽しみにしている」と喜びを口にした。