形見ベルサーチで「野村克也氏をしのぶ会」に参列した日ハム新庄監督はノムさんから何を学び何を誓ったか…二刀流挑戦の真相
恩師に誓いも立てた。 「新庄剛志らしく、野村さんに教えてもらったことをやりつつ、自分の考えを持って新しい監督像を作って、また違うカタチですが、野村さんのような監督像を作って、いいシーズンにして『いいシーズンでした』と報告したい」 そして、こうも言う。 「野村さんもわからないと思いますよ。(僕が)どんな野球をするのか。“ワシが教えた通りの野球をするのか、いやせんやろうな。どんなんやろう。楽しみやな”と。勝ったら、あまり褒めてはくれないと思うけど、負けたらボロカス言われると思う。”だからあかんのや”と。それが野村さんですからね。愛情あるコメントをしてもらえると思う」 どこかに不安もあるのだろう。 シーズン中に連敗するなど窮地に追い込まれ、どこかで野村氏に助けを求めたくなるときは、「気分転換」にこの形見のベルサーチのジャケットを着て球場入りしたいという。 新庄氏はしのぶ会でもその後のメディア対応でも涙を見せることはなかった。 それは3年ほど前に対談企画で伝えられていた野村氏の遺言だった。 「『おまえだけは、オレがこの世を去っても笑顔で見送ってくれ』と。約束を守って泣くことはなかった」 しのぶ会の“香典返し”には「感謝」と書かれた語録ブックレットが入っていた。 「教え子たちが現役を引退して、それぞれの人生を切り拓いている。野球界のために、自分の経験を役立ててくれれば、こんなに嬉しいことはない」 天国にいるノムさんの素直な気持ちだろう。 今季は高津臣吾監督がヤクルト監督として日本一を手にした。 そして新庄氏に聞かせたいようなメッセージもあった。 「希望を抱け、強い希望が自分を好循環にしてくれる。『人生をどう生きたいのか』『どういう人間になりたいのか』と強い希望を抱くことが大事」 BIGBOSSのタクトに野村氏の意思が継承される。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)