阪神の梅野がFA権を行使せずチーム残留を決断…“苦悩の選択”は正解だったのか?
阪神の梅野隆太郎(30)がFA権を行使せずに残留することが3日、発表された。梅野は球団を通じて以下のコメントを伝えた。 「今年あと少しのところで優勝を逃して本当に悔しい思いをして、やっぱりこのチームで優勝したい。その思いが一番でした。今のチームは年齢的にも若いチームで、絶対にこれからもっと強くなっていきますし、その中心でタイガースを引っ張っていきたいという思いです。本当にこのメンバーとこれからも野球をしたい、みんなと優勝したいという思いで残留することを決めました」 今季は130試合に出場。打率.225、3本塁打、33打点の成績に終わった。開幕からマスクをかぶり、チームが首位を独走していたときは、スーパールーキーの佐藤輝明(22)の後を打つ「7番・捕手」で存在感を示して、守備面でも投手陣をしっかりとリード。8月には、広島の會澤翼が怪我で代表を辞退したことで、東京五輪に挑む侍ジャパンにも選出されて金メダルメンバーの1人となった。 だが、9月になると打率が.159と急降下。ブレーキとなるシーンが目立ち、投手とのリード面での相性などもあって、ヤクルト、巨人と優勝を争った大事な終盤にはスタメンから外れた。 10月12日の巨人3連戦から坂本誠志郎(28)にスタメンの座を譲り、ここから最終戦まで11試合連続で梅野はベンチを温めてチームの逆転Vに貢献できなかった。まるで“戦力外”のような扱いで巨人とのクライマックスシリーズのファーストステージの開幕戦も、先発は高橋遥人(26)で坂本がスタメン。後がなくなった第2戦には梅野がスタメン抜擢されて意地の二塁打を放ったが、結局、連敗して“下剋上”も果たせなかった。 一部では捕手の補強がポイントの巨人、ソフトバンク、ロッテらがFA権を持つ梅野の調査に乗り出しているとの情報も乱れ飛んだ。“守護神”ロベルト・スアレス(30)の残留要請には直接出馬した矢野監督が、梅野の説得には腰を上げなかったことで、梅野のFA流出の可能性が高まったとも見られていた。だが、阪神フロントの熱心な慰留もあり、熟考を重ねた梅野は、優勝を逃した悔しさを理由にチーム残留を決断した。