プロ野球トライアウトを視察した日ハム新庄監督はどこをどう評価して異例の”気になる4人”の具体名を挙げたのか?
プロ野球の12球団トライアウトが8日、埼玉県所沢市のメットライフドームで、今オフ戦力外となった33選手が参加して行われた。日ハムの新監督に就任した新庄剛志氏(49)も視察に訪れ、注目選手として元阪神で今季は台湾でプレーしていた高野圭佑投手(29)、前オリックスの金田和之投手(31)、元楽天の育成選手で今季はBCリーグでプレーしていた中村和希外野手(26)、前巨人の山下航汰外野・一塁手(21)の4人の名前を挙げた。新庄氏は彼らのどこをどう評価したのか。新庄氏が12球団でただ一人監督として視察にやってきた理由とは?
「全員欲しい」
冷え込むメットライフドームで一人異彩を放っていた。サングラス姿で登場した日ハムのBIGBOSSは、「寒さ防止」のために真っ白のロングのダウンコートに腰には充電式の加熱ベルトをつける完全装備でネット裏に陣取った。 今年は参加が33人と少なかったため投手はカウント0-0から打者3人と対戦。野手は一人6打席立つ方式で、午前と午後の部に分かれて行われた。30分の昼食休憩中に取材に応じた新庄氏は、「全員欲しいっす」とリップサービスした後に、目に留まった選手がいたか?と聞かれ「いますね、います」と声を弾ませて4人の具体名を挙げた。 トライアウトでは「この選手はどうですか?」と質問されて評価を口にすることはあっても、監督や編成担当が、自ら具体名を出すのは極めて異例だ。 「高野君、カットボールが目についた。金田君、オリックスの。野手では中村君と、ジャイアンツの山下君。ファームで首位打者をとっているんですよね?面白いですね。肩の方がちょっと気になったので、もしうちが取るならDHでも面白いなと」 見慣れない台湾リーグ「中信兄弟」のイエローのユニホームでマウンドに立った高野は、野手で名前が挙がった中村を141キロのストレートでライトライナーに抑えると、続く元楽天のフェルナンドを新庄氏が注目したカットボールでタイミングを外してライトフライに打ち取った。3人目の中日で今季93試合に出場している武田には、ストレートを一、二塁間に弾き返されたが、まとまりはあった。 高野は、呉工高、四国学院大、JR西日本を経て、2015年ドラフト7位でロッテに入団。2019年の7月に石崎剛とのトレードで中継ぎとして阪神に移籍したが、4試合登板に終わり、2020年は1軍で1試合の登板もなく戦力外通告を受けた。昨年は新庄氏と共にトライアウトを受けたが声はかからず、続くワールドトライアウトで台湾の中信兄弟の目に留まり、今季は台湾でプレーしている。