「はやぶさ2」カプセル内に砂 JAXA会見(全文3)大量の試料が必要な分析が行える
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は15日午後、記者会見を開き、探査機「はやぶさ2」のカプセル内に小惑星リュウグウの砂が入っていることが確認できたと発表した。 【動画】「はやぶさ2」カプセル内に小惑星の「砂」 JAXAが会見(2020年12月15日) ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「「はやぶさ2」カプセル内に小惑星の「砂」 JAXAが会見(2020年12月15日)」に対応しております。 ◇ ◇
左に偏っている理由
橘:ガスの種類に関しましては行った分析が質量分析というもので、分子の重さは分かるわけですけれども、同じ重さを持っている分子というのは複数存在するので、もう少し詳細な分析を行わないとはっきりしたことは言えないと思います。 2つ目のご質問の写真に見えてる粒子。まず左に偏っている理由といたしましては、私たち【**** 00:54:40】コンテナを何度か作業の過程で、【****タイ 00:54:44】というようなこともあるんですけれども、そのときも全て同じ方向に回して戻すというようなことをしているので、その過程の結果として一方向に偏っているということです。 また壁の辺りが黒く見えるとおっしゃっていることはまさにそうで、これらもリュウグウの試料で細かい粒子が壁を覆っています。実際にA室のふたを外して、そのふたの裏側ですね、そちらにも黒い粉がたくさん付いてますので、そういう粉のサンプルもたくさん取れたというふうに考えております。 毎日新聞:分かりました。ありがとうございます。 司会:はい、続きまして読売新聞、中居さま、お願いいたします。質問は渡邊先生と初期分析チームのメンバーということですね。よろしくお願いいたします。 読売新聞:読売新聞の中居です。聞こえておりますでしょうか。 司会:はい、よろしくお願いいたします。
イトカワではできなかった分析ができそうか
読売新聞:よろしくお願いいたします。このたびはおめでとうございます。渡邊先生かお答えいただける方にお願いしたいんですけれども、初代「はやぶさ」が持ち帰ったイトカワの試料との比較をするために、イトカワの試料が今現在、微粒子が幾つ見つかっているのかというのをちょっと確認させていただきたいのと、あと今回ミリ単位の粒子がどっさり入っていたということで、イトカワのときは量が少なくてできなかったこともあったかと思うんですが、今回、量が多くてイトカワのときにはできなかった、どういう分析ができそうなのか、それとあと分析の技術が進んで、今回は新たにできそうな分析というのはなんなのか、その辺りをまずお伺いできますでしょうか。 渡邊:はい、それじゃあ最初に私から答えて、そのあと臼井さんのほうにその辺り詳しく説明いただきたいと思います。初号機、イトカワが持ち帰るのに比べて、まず圧倒的に量が多いというのは。それから見た目が全然違っていて、こんなに黒い粒子というのはなく、隕石なんかと比べても少し違う感じもするので、これは本当に面白いことがいろいろ分かるんじゃないか。で、量が多いので今おっしゃられたようにいろんな分析が可能になると思うので、その辺り、じゃあ臼井さんのほうからちょっと紹介していただきたいと思います。よろしくお願いします。 臼井:はい、臼井です。よろしくお願いします。まず一番最初の質問で、イトカワでどのくらいの粒子が見つかっているかというところからお答えします。同定している粒子は今、1500を超えた、1500粒を超えたぐらいになっています。今でもハンドリングの作業を続けているわけですけど、10年掛けて1500粒。それだけ時間が掛かっているのはとりもなおさず粒子が小さいから、今日、お見せしているような大きなごろごろと、目で見えるようなものではありません。 分析のほうで言いますと、そういう目で見えないような小さいものというのは、どうしても顕微鏡、光学顕微鏡もそうなんですけど、電子顕微鏡であったりだとか、イオンビームを使ったような局所での分析に限られてしまいます。ただし、今度大きなハンドピッキング、つまりつまめるような粒子が見つかったことで、これを溶液化して同位体を分析したりだとか、有機物を抽出したりだとかっていう、そういうより大量の試料が必要な分析が行えると考えています。以上です。