死者少ない要因は 専門家会議が会見(全文6)最悪も想定するのがリスク管理
第2波に向けた対策は?
テレビ朝日:ありがとうございます。続いてテレビ朝日の【フジイ 02:07:10】さんから、次の流行に備えた対策についてのご質問です。まず1問目、軽症者や無症状の患者が感染者に占める割合が多いという報告がこれまでの知見などでありますが、第2波に備えて無症状の患者を発症する前に把握する対策など、何か検討されているのでしょうか。 鈴木:おっしゃるように、この感染症は発症する前、2日前までさかのぼって、そこで他人に感染する可能性があるということがだんだんと分かってきています。そうした意味で、できるだけ感染の早い段階で感染者を把握していく必要があるということは間違いありません。そうした意味で、できるだけ発症してから早いタイミングで診断をするという意図も込めて、だんだんと症状が出てから4日待機してから診断をするというのではなくて、症状が出て早い段階から受診をしてくださいといった流れになってきているというふうに承知をしています。 一方でPCR検査というものも、必ずしも普段の臨床現場でこれまで使われてきた検査方法ではないわけです。そうした意味でPCR検査に取って代わるだけの感度があるかどうかというのはまだはっきりと分かっていませんが、迅速診断キットが普及することによって、より早期の段階で診断がついて、感染の制御にも貢献していく可能性があるのではないかというふうに期待はしております。
検査拡大・感染者隔離の方が効果大きいとの考えへの見解は?
テレビ朝日:ありがとうございます。2点目です。諮問会議メンバーの小林慶一郎氏が今後の対策として外出自粛と休業要請から転換し、検査を拡大して感染者を隔離するほうが経済的にも効果が多いとコメントしていますが、この考え方に関してご見解をお願いします。 脇田:それは検査を無症状といいますか、国民全体にスクリーニングをするという考え方ですかね。必ずしも、つまり今話がありましたけども、無症状者をPCR検査によって効率良く見つけられるかというと、必ずしも現状そうではないということがありますから、武漢で600万人の方をPCR検査して300人の無症状者を見つけたと。ただ、その検査は非常に多くの医療資源を投入して行われるということですから。 さらにPCR検査の感度に関しても、必ずしも全員の方を見つけられるわけではないということですね。特に無症状者の方、いつからどのような状況で見つけられるかということもはっきり分かっていないという状況ですので、万が一といいますか、陰性というふうになっても、それがまた翌日から陽性になるかもしれないということも含めて、必ずしもそこが有効な手段になるというふうには、私は個人的には考えていないと思います。