死者少ない要因は 専門家会議が会見(全文6)最悪も想定するのがリスク管理
実効再生産数の低下が図から読み取れない
正林:1回目の専門家会議で内閣官房のほうから、議事録ではなくて議事概要を作成して公表しますということを説明はしています。正林といいます。 テレビ朝日:すいません、Skypeでの質問に移らせていただきます。日本経済新聞の安藤さんからのご質問です。西浦さんに質問です。東京の実効再生産数が緊急事態宣言後に下がったとの説明でしたが、提言書本文6ページの図3からはそれが読み取れません。プレゼン資料9ページの図と比較しつつご説明ください。宣言前に行動変容が起きていたとすると、それほど非連続な変化があるのは不自然な感じもします。 西浦:そうですね。このスライドを出しながら説明できればと思うんですけど、提言書で言うと15ページなんですけど、15ページの上から3つ目の丸のところの最後の文章に、「なお、東京のデータ分析では」というところがありますけども、緊急事態宣言下で実効再生産数がこのように下がったというのが確認できているのは、今のところ東京のデータ分析に基づくもののみです。大阪でも確認はできていますね。それに関連する詳細な推定値というのは、15ページの脚注の部分に入れていただくようにしているので、そこで確認いただけるかと思います。それがスライドとの対応に関するお返事ですね。 3つのフェーズに分けていて、これほど不連続なのは不自然だとおっしゃる話なんですけど、おっしゃるとおりだと思っています。統計の領域ではこういうふうな実効再生産数のモデル化というのは階段関数、ステップファンクションと呼んでいます。流行の期間が、ここで言うと3つの主要なフェーズに分けられると。宣言2つのところで大きく世の中が変わったと想定したときの推定結果がこちらになります。
もう少し詳細に分解した結果として提示したい
それをより詳細に、例えば毎日何かが起こったというので分解できるかどうかというと、必ずしもそうではないんですね。それは実際に起こったイベントと観察現象から得られる情報の細やかさと対比しながら決めていくところなんですけど、先ほどお話ししたように、例えば特定の業種の休業要請がどれだけ効いたかというようなことというのは、後付けでこれからやらないといけない、私たちが背負っている重要な研究テーマです。ちゃんとピアレビューを経た学術論文として公表して、研究成果として出したいと思っていますけど、それぞれの急所をたたくことで、どこがうまくできたのかというのはもう少し詳細に分解をした結果として提示したいと思っています。今後の課題です。 脇田:すいません、先ほど過去の提言で議事録について何かあったかというお尋ねが時事通信の方からあったと思うんですけど、過去の提言では議事録については何も触れていないということです。議事録を出すなということも言っていないということになります。