欧米では、“船”に対して 深い「リスペクト」がある、だから「靴」を“脱いで”乗る! 『 “プロ”が語った 「ボート遊び」!』 海に囲まれた日本で 「マリン文化」を 育てたい! (インタビュー第1回)
マイケル・ジョーダンの船のキャプテンは、年収30万ドル!?
―― スタッフが遊び方を知らなかったら、オーナーに教えられないのは当然ですね。 吉原 遊びの提案をちゃんとしてあげられるか、この遊びを続けられるどうかは、8割くらい僕らの業界の責任なんですよ。 日本と海外で何が違うかといったら、海外では、ある程度の大きさの船には「キャプテン」と「クルー」がいることです。 ―― キャプテンは、船長ですよね? 単に船を操船する人ではないのですか? 吉原 キャプテンの仕事は「オーナーのために、最高のおもてなしをする」こと。オーナーは、自分たちにとっての一番のゲストです。 船のオーナーを遊ばせる、遊びの提案をする、船の管理ができるのがキャプテンです。 ―― 日本には、そういう発想はありませんよね。 吉原 日本の場合、「吉原さん、安くていい人いない?」って言うんですよ。そんな人がいたら、ウチで使っています(笑)。 ―― アメリカでは、キャプテンは職業として確立されているのですか? 吉原 マイケル・ジョーダンは、日本円で20億以上の80フィート越えの船をもっていますが、その船にはキャプテン1人とクルーが2人います。 キャプテンは、年間どれくらいの契約だと思います? 年間で30万ドル。今のレートだと日本円で4,500万円くらいかな。クルーが1人10~15万ドルです。 ―― キャプテンとクルーに、年間1億円近く払っているのですね? 吉原 キャプテンは「 オーナーに喜んでもらえたら、いいサラリーを貰える 」って、日々、自分たちの スキルを 上げている。 マイケル・ジョーダンの キャプテンもそうですが、高いスキルをもった キャプテンは「 次は ウチに来ないか 」と、別の オーナーから さらに 良い条件でオファーを受けます。それを 見ている クルーたちは、「 俺たちも 」ってキャプテンを 目指すんです。 ―― だから、キャプテンの質も高いわけですね。 吉原 クルーもプライドをもってやっているから、余計にいい仕事をする。「こんなところに行きたい」「何か面白いところはない?」といった、オーナーの意向を即座に「形」にできるだけのスキルがあります。 ―― そのおかげで、オーナーはいつでも快適に「船遊び」を楽しめますね。 吉原 海外のキャプテンは、「俺はキャプテンだから」っていう自負があるので、「キャプテンの仕事」だけをします。職業として、契約でやっています。 日本だとオーナーが自分の社員として囲ってしまう。 日本では、「自称・キャプテン」はいっぱいいる。だけど、船の管理もちゃんとできない、船の扱い方も丁寧ではない。文化にならないのは、結局、そういうことなんだと思います。
【関連記事】
- 「船遊び」のプロが語る・もっと 海を“ 楽しむ”方法。必要 不可欠な「船」への尊敬と、海外のオーナーが持つ「ノブレス・オブリージュ」の精神とは! (インタビュー第2回)
- 【特集記事】海の男たちを魅了し続けてきた「美しき名船」「RYBOVICH 40' SPORT FISH “TWENTY”」【ワールドジェットスポーツマガジン10月号】
- 【琵琶湖・「水上バイク」 遭難事故】一晩中 沈まずに 琵琶湖に浮いていた理由は、国が認定した「ライフジャケット」を着用していたから!
- 「水上バイク」 遭難事故 !『波の中での「2人乗り」が“最悪”な理由』 チャンピオンが語る、波の恐しさ
- 『 "水上バイク"なんて ツマラナイ・すぐに"飽きる" 』は ホント なのか !?