欧米では、“船”に対して 深い「リスペクト」がある、だから「靴」を“脱いで”乗る! 『 “プロ”が語った 「ボート遊び」!』 海に囲まれた日本で 「マリン文化」を 育てたい! (インタビュー第1回)
船の世界は狭い。どこで誰が「売ったか」がすぐに分かる
―― 日本で船を買うとき、オーナーは何と言って吉原さんに頼むのですか? 吉原 人によると思いますよ。「こういう船がほしいんだけど」と言われたら、それに対して探します。カジキを釣りたいんだったら、だいたいこれくらいの金額っていうのが分かりますよね。 水上バイクの業界は知らないけど、船って数が少ないから、国内ではすぐに「誰の船」って分かる。そうすると、「それを入れたのは誰だ」「面倒を見ているのは誰だ」ってなる。イコール、それが業者の評判になるわけですよ。 ―― 誰が売ったのかまで分かるのですね。 吉原 それだけでなく、どういう管理をしているのかも分かる。 例えばお客さんに「大阪でこういう船が中古で出てるんだけど、どう思う?」って聞かれたら、「ちょっと待ってください、大阪の仲間に聞きますから」って。聞くと、「あれはアカンで。どこどこの業者が付いてて、あいつ何も面倒見とらん。やめといたほうがいい」って教えてくれる。 ―― 水上バイク以上に狭い業界ですね。海外で船を買う場合は、どうしているのですか? 吉原 アメリカだったら現地のパートナー、仲間がいます。アメリカもヨーロッパもそうですけど、僕らはどこまでいってもアジア人。だから、交渉が上手くいかない。 そうすると、向こうで信頼できるパートナーに、「この船どうかな?」って、先に見てもらう。そのときに「うーん、どうかな」って言われたら、もう買いません。
アメリカでは「無料で試乗」することはない。買う意思を見せなければ試乗もさせてもらえない
―― 信頼できる現地の業者を探すことが肝要ですね。 吉原 日本人が一番いけないのは、すぐに「見せろ」「乗せろ」って言うことです。アメリカで船を買うときに、まずデポジットを10%払います。向こうはビジネスなんで、「買うんだったら意思を見せろ。その代わり、その間はホールドする」ということです。 ―― 日本のように、「ちょっと乗らせて」はないんですね。 吉原 デポジットを払わないと、試乗することすらできません。州で決まっているライセンスがあって、ライセンスの取り扱える金額が決まっています。 そのなかで10%払ってホールドしてもらって、現状確認して試乗して最終確認する。 そこから2週間以内に結論を出して、送金をしないといけない。ちゃんとルール化されています。
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