【ABC特集】創業70年 高架下のかき氷屋さんの“最後の夏” 耐震補強工事で立ち退きへ 夫婦二人三脚で走る日々に密着
山盛りのかき氷と、電車の音が名物のお店。阪神電車の高架下にある、創業70年のかき氷屋さん。地元の人に愛されてきたお店ですが・・・ (男性)「(店が)無くなっちゃうってことですか?」 (女性)「え~!残念。最後に食べとかな」 阪神電車の高架の耐震補強工事が決定。立ち退きを迫られ、閉店することになりました。 (店主)「なんやかんや考えても仕方がない。一生懸命やるだけ」 “高架下のかき氷屋さん”最後の夏に密着しました。
山盛りのかき氷に電車の音が名物の店
(記者)「この道、何年ですか?」 (大西さん)「60年近いかな」 半世紀以上、かき氷店を営むベテラン、大西啓公(おおにし ひろまさ)さん、76歳です。 お店は神戸市東灘区、阪神電車御影駅からすぐ、高架下のお店「大西商店」。創業70年になります。 大西さんは高校を卒業して、家業を継ぎました。
一日の始まりは、かき氷の蜜づくりから。 砂糖・蜂蜜・水飴などを煮詰めます。レシピは父親譲り。最近は、あっさり目に仕上げているそうです。
(記者)「ご両親は、どんな方でした?」 (大西さん)「うちは“父親が厳しかった”と言うかな、威厳みがあったね。何も言わんでも怖かったよ。側におるだけで怖かったわ」 父・啓介(けいすけ)さんが、昭和30年代から使っていたという、かき氷器は、今なお現役。 飾りも華やかで、『メイドインJAPAN』のロゴが付いています。
70年間、地元の人に愛されてきたお店なんですが、実は・・・。 (大西さん)「この高架がちょっと傷んでるから、今度立ち退きになってまうのよ。やりたい気持ちはあるけど、できへんもんね・・・」 阪神電車の「高架の耐震補強工事」が決まり、来年2月に立ち退くことに。年内いっぱいで、この店の営業を終えることにしました。
(大西さん)「毎日毎日やることを、一生懸命やるだけ。もう、なんやかんや考えても仕方がない。一生懸命やるしかないわね」
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