【ABC特集】「中学2年の2学期からひきこもりに・・・」 50人に1人が「ひきこもり」の日本 当事者に聞いた「なぜそうなったのか?どうやって抜け出したのか?」
2022年度の内閣府の調査によると、ひきこもりの人数は15歳~64歳で推計約146万人に上ります。研究者によると、この数は今後さらに増加していくとみられています。 最も悩ましいのは「私が死んだ時」 50人に1人が「ひきこもり」の日本 ひきこもりの子どもを抱える親に聞いたその実態 ひきこもりは当事者にとって辛く苦しいことが多く、また親たちも対応に苦悩しています。しかし日本人特有の「恥の文化」もあり、その実態については調査も進まずあまり知られていません。 今回、あわせて9年のひきこもりを経験して抜け出すことができた男性を取材することができました。原因やその日常、どのように抜け出したのかといった実態に迫りました。
あわせて9年のひきこもりを経験した34歳男性の場合
その実態があまり知られていないひきこもり。10代と20代の時に計9年ひきこもりを経験した中谷信哉さん(34)が自分の経験をまわりに伝えていければという思いで取材に応じてくれました。 まず話してくれたのは、ひきこもり生活をしていた当時の部屋について。実際に案内してくれました。 「ここが僕がずっとひきこもりになってから過ごしていた部屋です。」 部屋の中央には当時と同じ位置にベッドマットが置かれ、布団が敷かれていました。 「一番大事なベッドマットです。僕がずっと寝て過ごしていた場所なので」 目の前にはデスクトップパソコン、斜め前にはテレビ。当時は電気をつけたり消したりするひもも手に届く位置にあったといいます。 「全部が寝ながら届くような配置になってるというのが当時からずっとありました。」
ひきこもりの原因は“優等生の自分に限界”
中谷さんは小学生のころ、バレーボール部で活躍。キャプテンを務めていました。友達も多く、勉強もでき優等生だったといいます。しかし、中学生になりだんだんと成績が落ちてくると、友人との関係も悪化。「そんな自分を見せたくない」という思いが引き金となり、中学2年の2学期からひきこもり始めます。 「優等生でいる自分に限界がきて、だんだん勉強ができる自分とかスポーツができる自分みたいなのを維持できなくなってきたんですね。」