忘れ物は1日で1000点になることも

　年間約5億人が利用する近畿日本鉄道。人が往来すれば必ず出てくるのが「忘れ物」です。近鉄で1日に見つかる忘れ物は、多い時で1000点以上にもなるそうです。中には炊飯器を忘れる人も。一体なぜ？近鉄忘れ物センターの人間模様を覗いてみました。

約2万点保管されている忘れ物センター

近鉄忘れ物センターは大阪・鶴橋と三重・四日市市に

　各駅に届けられた忘れ物は鶴橋駅と三重県の四日市市に集約されます。今回取材したのは鶴橋駅の近鉄・忘れ物センター。長らく忘れ物は各駅で保管されていましたが、駅員の負担軽減のため2022年にできました。ここに保管されているものは約2万点にものぼります。

忘れ物の上位「スマホ」

　忘れ物センターが開くのは午後1時。と、同時に男性がやってきました。取りに来たのはスマートフォン。橿原神宮前駅で降りてから、なくなったことに気づいたといいます。 （スマホを落とした男性）「なんていうんかな、自分の身体の一部がないような・・・」 　待つことわずか1分。 （職員）「お待たせしました。間違いないか見ていただいてよろしいでしょうか」 （スマホを落とした男性）「はい、そうです」 　落としたスマートフォンは無事、男性のもとへ返ってきました。

忘れ物防止用タグを辿ってきた女性

　（女性）「息子の財布の中にAirTagを入れていて。AirTagがここにあるように反応しているので、ちょっとないかなと思って・・・」 　奈良から中学生の息子の小銭入れを探しに来たという女性。小銭入れの中にAirTagという紛失防止用のタグが入っていて、その反応がここ忘れ物センターにあるとのこと。 （職員）「鳴らすことはできない？」 （女性）「AirTag鳴らせます」 　タグについているアラーム機能を使って鳴らしてみると・・・ （女性）「鳴ってますね」 （職員）「これや、でもAirTagだけやで」 （女性）「AirTagしかないですか！？」 　見つかったのは、紛失防止用のタグだけ。職員も必死で財布を探しますが、見つかりません。 　（職員）「小銭入れ自体がないですね。タグだけですね」 （女性）「息子は学校に行っていたんですけど、タグがここで反応したので財布も一緒だと思ったんです。忘れ物が多い子なので。家に帰ってもう1回手元にないか確認します」 　女性はそう言って帰っていきましたが・・・翌日、「息子の財布が自宅で見つかった」と連絡がありました。