【ABC特集】朝5時台に出社して勤務終了は夜8時を過ぎることも・・・ 「先駆者となり切り開く」 全国で1.7%しかいない女性バス運転士の1日に密着
「常に人が足りていない」と言われるバス運転士のお仕事。運転士不足に伴う減便や路線の見直しなどが各地で行われていて、地域の足の存続が危ぶまれています。 【全長18m】連節バスを操る女性運転士 「離婚がきっかけ」29年乗務を続け無事故無違反 社内で”女性初の指導者”に 1日に密着【奈良交通】 運転士不足の理由のひとつとして挙げられるのは、いびつな男女比。国土交通省によると女性バス運転士の割合は1.7%。全体の運転士不足解消のためには女性の採用が急務ですが、過酷と言われるバス運転士の門を叩く女性は、少ないのが現状です。 約30年前、離婚を機にバス運転士となり、”女性が働くための開拓”を進めて来た「女性トップドライバー」の1日に密着しました。
出社は5時45分 乗務の後は「長い休憩」 ラッシュに合わせた運転士特有の勤務体系
午前5時45分。奈良交通・平城営業所に一人の女性運転士が出社してきました。バス運転士歴29年の、中村知加子さん(56)。 「今は『カンカン』と固い音ですが、緩いと響く感じが全然違うんですよね」。 ボルトの緩みもハンマーの音だけで見極める、バスを知り尽くしたベテラン運転士です。
点検を終えたら、営業所を出発。きょうのルートは6時41分に京都府木津川市の新興住宅地を出て、およそ30分ほどかけてJR奈良駅へと向かうコースを担当します。 午前11時過ぎ、乗務開始からおよそ4時間半。中村さんが運転するバスが営業所に戻って来ました。 「夕方までは休憩です。次は午後4時過ぎからなので、その間に買い物などに行きます」。 きょうの中村さんのシフトは「中間解放」と呼ばれるもので、朝と夕方のラッシュの時間を支える、バスの運転士の間で多く働かれている業務形態。 中村さんは昼食を食べ、買い物など家の支度を済ませた後、営業所内にある女性専用の仮眠室で、しばしの休憩を取ります。
「正社員で働きたい」離婚を機にバス業界へ 男性社会で努力続け・・・ 女性初の指導者に
地元・奈良県出身の中村さん。小さな頃はバスに乗ると、運転士のシフト・クラッチ操作をずっと見ているような子だったと言います。18歳になり運転免許を取得し、愛車のトヨタ・クレスタに両親を乗せて旅行にも行きました。 短大を出たあとは医療事務などの仕事などで働き、結婚して長男も誕生しました。しかし、27歳の時に離婚。
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