海外メディアも開会式楽曲担当の小山田氏のドタバタ辞任劇を報道「五輪・パラリンピックの音楽を担当する資格がない」
東京オリンピックの開会式の作曲を担当すると発表されていたミュージシャンの小山田圭吾氏の電撃辞任を巡る混乱を海外メディアも報じた。複数の海外メディアは、これまでにも小山田氏の過去のいじめや辞任を求めるオンライン署名が行われていることを伝えていた。 英ガーディアン紙の電子版は「五輪作曲家が障がい者へのいじめを認めて辞任」との見出しを取って、この問題を伝えた。 同紙は「彼は土曜日(17日)に『多くの人々に非常に不快な思いをさせてしまった』と謝罪したが、辞任の申し出はなかった。当初、組織委員会は彼の行動や発言を非難したが、開会式を数日後に控え彼との仕事を続けるとしていた」と経緯を紹介。 しかし、SNS上を含めて国内外のバッシングの声が高まり組織委員会は、急転、「謝罪を受け入れたのは間違いだった」と認め、辞任の申し入れを承諾した。 同紙は組織委員会の「小山田氏の真摯な謝罪を受けて、我々は開会式までの短い期間、小山田氏が準備作業を続けることを認める意向を示した。しかし、この判断が間違っていたと判断し、辞任を受け入れることにした」との発表を紹介した。 また加藤官房長官が、今回の問題を「到底耐えられるものではない」とした上で、8月24日から開催されるパラリンピックが「共生社会の実現に向けた『バリアフリー』の精神を発信する場となることを期待する」と述べたことも報じた。 同紙は、これまでに起きた東京五輪の数々の問題を振り返り「組織委員会の前会長である森喜朗氏は、スポーツの管理職にある女性に対して性差別的な発言をしたため2月に辞任を余儀なくされた。翌月には開会式のクリエイティブ・ディレクターである佐々木氏が、人気タレントの渡辺直美さんを軽蔑するような発言をして辞任した」と説明。それらの問題の「最新」が小山田氏の開会式4日前の辞任であることを伝えた。 米ニューヨーク・タイムズ紙も同様に辞任の経緯を伝えた。 「小山田氏は、1990年代半ばに受けた雑誌のインタビューで(いじめの)事件を自慢していたとの報道がなされた後、最初は辞任を求める声に抵抗していた。しかし、月曜日(19日)に自身の行動やコメントがソーシャルメディアで批判を浴びたため辞任を決意した」 同紙も年明けから森前会長が女性蔑視発言で辞任した問題や、開会式の演出で人気コメディアンの渡辺直美さんが“オリンピグ”と侮蔑されるようなモノが提案された件で、クリエイティブ・ディレクターの佐々木氏が辞任した問題などを振り返った。