新型コロナ禍・悲鳴続く関西経済 インバウンド需要なくどうなる?
新型コロナウイルスの感染者が日本で初めて見つかったのが今年1月。その後の感染拡大、緊急事態宣言、休業要請や外出自粛要請などで日本の経済は一変した。人々の暮らしも様変わり。今や失業者がどっと増え、コロナ解雇は2万人を超えたと言われている。関西でもインバウンド需要の高かった飲食店、イベント業、観光産業、ホテル業などのサービス業は壊滅状態に近い。緊急事態宣言は解除されたが、給付金や助成金は一時しのぎに過ぎず「もう限界だ」という悲鳴があがっている。果たして今後、関西経済はどうなるのか。各業界のナマの声を聞いた。 【拡大写真】新型コロナウイルスの影響で閑散とする北新地 経営者の声も
ステージ設営の会社「8月末までイベント中止決定で大打撃」
厚生労働省は今月5日、新型コロナウイルスの影響で解雇や雇い止め、その見通しがあるなどの働き手が2万人を超えたことを明らかにした。 コロナ・パニックで中止や延期になったイベントの数々は、8万件以上とも言われるが、大阪で音響・照明・ステージ設営を手がける会社の社長は、現状をこう話す。 「2月初旬まではイベントを開催してましたが、それ以降は全部キャンセルになり、収入はゼロです。コンサートや大きな祭り事というのは何か月も前から準備をするので、8月末まで中止が決まってます。当社は年商5000万円ほどですが、そらもう大打撃ですよ」 「9月からイベントが再開されるにしても、それまでもちこたえないといけない。すでにつぶれたところもありますが、今後、倒産が増えるのではないでしょうか」
大規模な資金投入もコロナの影響で死活問題
コンサート会場などで映像を映し出す超大型モニターのことをLEDディスプレイ(LEDビジョン)と言うが、このLEDディスプレイシステムに大型の資金投入をした照明会社もある。 「今やライブなどではLEDディスプレイが必須です。将来性が高く、昨年末に思い切って3億円ほどかけて導入しました。利益率が高いし、大型イベントを10回もすれば、資金を回収できるのです。ところが、コロナの影響で今や死活問題です。借りている倉庫の家賃が月250万円。ほんとにキツイですわ」(大手照明会社) 各種イベントに出演予定だったアーティストたちも現況は同じ。「仕事がまったくない。早くイベントが復活して欲しいです」と、収入のない苦境を嘆く。