小浜・京都ルートは「千年の愚行」 ついに仏教界の怒りも招いた北陸新幹線・大阪延伸問題! 年内詳細ルート決定断念、地下水問題で揺れる計画の行方とは
強まる環境懸念
北陸新幹線の与党整備委員会が小浜・京都ルートの年内詳細ルート決定を断念した。京都府市が地下水など環境への影響に懸念を示したためで、計画の行方が見通せなくなっている。 【画像】「えぇぇぇ!?」 これが新幹線鉄道網の「現状」です! 画像で見る(9枚) 「地下水への影響や残土処理などに対する地元の懸念が強いので、まずは不安解消を優先する。『急がば回れ』で懸念払しょくに努めたほうが、結果的に着工が早まる」 北陸新幹線の与党整備委員会が開かれた12月20日、西田昌司委員長が会議終了後に国会内で記者会見し、目標としてきた小浜・京都ルートの年内詳細ルート決定を断念することを明らかにした。 与党整備委員会は年内に京都市内の駅設置候補3案を1案に絞り、2025年に環境アセスメント(開発プロジェクトや政策を実施する前に、その計画が自然環境や地域社会に与える影響を評価するプロセス)を済ませて年度末に当たる2026年3月ごろの着工を目指していた。 しかし、13日の会合で西脇隆俊京都府知事、松井孝治京都市長からトンネル工事の環境への影響や膨大になると予想される地元負担などで強い懸念を指摘された。
2025年度着工も先送りに
これを受け、この日の会合では京都市内3案のうち、下京区の京都駅地下に東西方向に設置する 「東西案」 を最も環境への懸念が強いとして外し、詳細ルート決定を年明けに先送りすることを決めた。国の2025年度当初予算への新規着工費計上も見送り、2025年度中の着工を断念している。今後は ・京都駅地下に南北方向に設置する「南北案」 ・京都駅から西へ約5km離れた南区の桂川駅付近の地下に置く「桂川案」 の二者択一となるが、西田委員長は新たな着工目標について 「あえて目標は考えていない。できるだけ早く」 と述べるにとどめた。ただ、 ・石川県で高まっている「米原ルート」 ・京都府議の一部から出ている「舞鶴ルート」 への変更については 「小浜・京都ルートに決定した際、比較検討した結果、速達性など利便性で小浜・京都ルートに劣ると判断した。与党が再検討する必要はない」 とし、小浜・京都ルート推進の姿勢に変わりない考えをあらためて強調している。 整備委員会は地元への説明として、説明会などで科学的知見に基づいた資料に基づいて懸念解消に努めるとともに、動画などでわかりやすく事業内容を広報することも検討するという。