シャープに聞く「AQUOS sense9」の進化と「AQUOS R9 pro」を作ったワケ 根底に“AQUOS R9の刷新”あり
あえてノイズを「消しすぎない」ことで雰囲気のある写りに
―― ちなみに、同じライカモデルでも、Xiaomiはフィルターを載せるなどして、UI(ユーザーインタフェース)の中にもライカという固有名詞をちりばめているような印象を受けます。AQUOS R9 proには、そういったフィルターがありません。 清水氏 そこの考え方は、悩むところです。ただ、われわれはライカと一緒にやっているので、AQUOSのカメラがいいと思っていただきたい。ライカを前に出せば出すほど自分たちのブランドが埋もれていくので、今のような形でバランスを取っています。一方で、ライカのイメージがつきやすいのも確かなので、他社のやり方もうまいとは思います。 中江氏 先ほどお話ししたAQUOS sense9はライカの認証を取っていませんが、絵作りに関しては同じように作っているといえます。(フラグシップモデルで)全面的にライカを押し出していないからこそ、そういった印象を持ってもらえる側面はあります。ライカモデルはいいよね、となってしまうと、逆にライカがないAQUOSは今までと同じと思われてしまう。それはもったいないですよね。せっかく協業してわれわれの技術力も上がっているので、それがいろいろなところに反映される方がいいという判断です。 ―― よりライカの世界観を楽しみたい人には、Leitz Phoneもありますね。 清水氏 おっしゃるように、ライカのファンの中にはLeitz Phoneを選ぶ方もいます。 ―― とはいえ、やはりライカと協業した端末で写真を撮ると、すごく雰囲気のある写真が撮れます。この雰囲気の正体は何なのでしょうか。 中江氏 恐らくですが、ノイズを消しすぎていないからだと思います。スマホで撮る写真は、きれいに撮ろうとしてノイズを消し、はっきりさせた絵が多い。一方で、ライカは写実的で、空気すらも撮影したというぐらい、ありのままになります。そのときにやっているのが、ノイズを消しすぎないことです。一見すると粗っぽい部分が残るように見えるかもしれませんが、ノイズを消すと、その分だけディテールも失われていきます。