シャープに聞く「AQUOS sense9」の進化と「AQUOS R9 pro」を作ったワケ 根底に“AQUOS R9の刷新”あり
オープンマーケット版は「海外のニーズ」を鑑みてシャッター音を消せるように
―― ちなみに、オープンマーケット版はシャッター音を消せるのでしょうか。 中江氏 シャッター音はなかなか扱いが難しく、われわれも全面的に押しているわけではありませんが、事実としては消せます。 清水氏 海外のニーズから来ている部分はあります。一方でキャリア版はキャリアからの要求があるのも事実です。 中江氏 人間の善意に委ねている部分はありますが、寝ている子どもを起こさずに撮れるというメリットはありますね。 清水氏 静かな飲食店での撮影もしやすくなります。われわれも(シャッター音を消せるようにしてほしい)という声があることは認識していますが、今回はその声に応えたというより、海外展開を意識しての仕様になります。
取材を終えて:AQUOS R9の刷新がAQUOS sense9とAQUOS R9 proにも生きている
AQUOSシリーズ全体のデザインを見直したことで、AQUOS sense9はその外観だけでなく、設計も大きく変更することができた。スペックを大幅に底上げできた背景には、こうした事情もあった。コストアップにつながりそうだが、上位モデルなどとのパーツの共通化で価格は抑えており、競争力をさらに高めることができた格好だ。その結果が、好調な初速に結びついている。 対するAQUOS R9 proも、普通のハイエンドモデルとしてのAQUOS R9があったことで、より大胆なモデルチェンジを断行できたといえる。カメラ機能を強化したのはもちろん、デザインもカメラライクになり、ガジェットを好むフラグシップモデルのユーザー層によりフィットする端末に仕上がった。2機種とも、AQOUS R9でデザインやコンセプトを刷新した好影響が出ている。その意味で、2024年のモデルチェンジは成功だったといえそうだ。
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