「リンゴはいいけど、キャベツは要注意。でも…」プロ・コーチだけに伝えられた、じつは「本当に効果のある栄養」
「緑色の野菜」に注目
バナナやオレンジ、リンゴもお勧めだという。 「試合後にシェイクの形で摂取するぶんには、消化への負担が少なくてすみます。ホウレンソウなどの緑の野菜も、クロロフィルが含まれているのでお勧めです。免疫機能を強化し、筋肉の構築、アンチエイジングの効果もあります。他にもピーマンや小松菜、ニラ、シソなど緑色の野菜に含まれています」 こうした知識はスポーツの試合だけでなく、大事な試験やビジネス上の重要な会合などの際にも参考になりそうだが、もちろん「とればとるほどいい」わけではない。個々人の身体には、それぞれキャパシティがある。無理をするのがいちばん良くないのは当然だ。 「どんな優れた指導者でも、『これが世界最高の戦術だ!』というものを挙げることはできないでしょう。栄養学も同じです。『絶対的にこれがよくて、絶対的にこれがダメだ』というものではありません。個人的なキャパシティや体質、メンタル状態や個々の嗜好など、いろんな要素が関わってくるものだからです」(シュタイン)
自分自身にとって最適な食事とは?
食事とは、「栄養素の摂取」だけを意味するものではない。試合前の食事、試合中のエネルギー補給、試合後の補食と気をつけられることはいろいろある。でも、そればかりを気にしすぎて、本来の食事時間がおざなりになってしまっては本末転倒だ。 あれもこれもと不安に駆られて、無理にスケジュールを詰め込んでいろんなことに手を出すより、身体と頭と心を回復させる十分な時間と環境を確保できているほうが、結果として子どもたちの成長だけではなく、大人のメンタルケアにとっても間違いなく効果的だ。練習や予備校や残業があるからと、コンビニやファーストフードでの食事頻度が多くなっていたら、どこかで改善できないかスケジュールを見直すことも大切だろう。 ゆっくりとリラックスした雰囲気でバランスのとれた食事をとる機会、家族や友人と談笑しながら食事を楽しめる空間。自分自身にとって最適な食事とはなんだろう? 一度じっくり考えてみたいものだ。 3年間ホケツだった僕がドイツでサッカー指導者になった話 * * * * * ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする 自主性・向上心・思いやりを育み、子どもが伸びるメソッド ドイツの大人は子どもの成長をどのように考え、どのようにサポートしているのか。現地在住のサッカー指導者であり、子育てにも奮闘する著者が、現地でしか知りえないジュニア指導の新常識を紹介。
中野 吉之伴