「リンゴはいいけど、キャベツは要注意。でも…」プロ・コーチだけに伝えられた、じつは「本当に効果のある栄養」
「パスタ最強論」の真実
ドイツでは、昔から伝統的に「試合前には炭水化物を摂取して、エネルギーを蓄えることが重要だ」といわれ、それこそ僕が指導者講習会で栄養学の授業を受けたときにも、そうした話を聞いている。 そして、炭水化物には《パスタ最強論》を口にする人が結構いた。実際に、シュタインも現役時代に《パスタパーティー》とよばれる山盛りパスタを食べて競技に臨んだそうだ。 だが、じつは身体にとって決していいことではなかったことを、のちに栄養学を学んでから知ることになる。パスタの原材料である小麦が体にもたらすデメリットが考慮されていないからだ。 「小麦に含まれているグルテンが体内に取り込まれると、ちょっとした炎症のような症状が起こります。それに対して体内では免疫機能がはたらき、炎症を抑える活動がおこなわれるのですが、その際に酸素の運搬能力が制限されるんです。それがパフォーマンスに影響を及ぼすことがあります。試合に向けて喜ばしいことではないですよね」(シュタイン)
お勧めの食材
シュタインは、メンタルコントロールと食事のバランスもポイントの1つにあげている。 試合前となると、ナーバスになる選手も少なくない。そうなると消化器官が委縮し、ふだんより消化能力を発揮できないこともある。特に神経性胃腸炎に悩む選手は、より胃腸に負担のかからない食材をとることが推奨されている。 シュタインがお勧めするのは、キビ、キヌア、そば粉、オーツ麦、米粉を使った料理だ。 「お米も悪くないのですが、キヌアは消化器系の健康やエネルギー代謝のサポートに優れています。 タンパク質は卵やミルクからとるのがいいですね。ヤギや羊のミルク商品は消化に良く、身体に優しい商品です。 野菜は大事です。特にズッキーニ、ニンジン、ベーテといった消炎効果のある野菜がお勧めです。ショウガもいいので、しょうが湯を試してみてはいかがでしょうか。お腹を温め、ナーバスさを抑えてくれるので試合前に向いています」 では、反対に避けたほうがいい食材はなんだろうか。