なぜ中継カメラマンによる渋野日向子への”お菓子手渡し事件”が起きたのか?
女子ゴルフの中継局のカメラマンがラウンド中の渋野日向子(22、サントリー)の“モグモグタイム用”のお菓子を手渡していた大失態の波紋が広がっている。 事の発端は11月29日まで宮崎市で行われた女子ゴルフの年内最終戦で今季メジャー第3戦の「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」で起きた。JLPGA(日本女子プロゴルフ協会)及び日本テレビの説明によると、日本テレビの中継カメラマンが、第2ラウンド(R)と第3Rに14番ホールをプレー中の渋野にお菓子を手渡して撮影した。第2Rで、その場面を目撃していた他のカメラマンが大会競技委員らに指摘し、第2Rのホールアウト後には、大会のメディア運営担当者から中継カメラマンは注意を受けたが、第3Rも同様の行為を続けたという。JLPGAは第3Rのホールアウト後に事実を確認して厳重注意した。 JLPGAの大会事務局長は「最初は自分の耳を疑った。ありえないこと。あってはならないこと」と話し、日本テレビが中継した前週の「大王製紙エリエールレディス」でも同じカメラマンが同様の行為を行っていたことを確認したという。 プレー中の選手はホールアウトするまで自分のキャディー以外との接触は一切禁止されている。もちろん大会主催者や関係者、メディアも例外ではない。 今回でいえばお菓子と一緒に助言を書いたメモを渡すことも可能で、禁止されているアドバイスとも取られかねない行為である。しかも、コロナ禍の状況で菓子袋を介してウイルスに感染する恐れもある。アドバイス行為はなかったとはいえ、報道に携わる者としては非常識極まりない行為だった。このカメラマンは日本テレビの社員ではなく、フリーのカメラマンとして中継業務に従事し、以前から渋野とは顔なじみだったという。日本テレビの現場責任者である番組プロデューサーは「恒常的にこのようなことを行っているとは知らなかった。選手とJLPGAに謝罪しましたが、今後は二度とこのようなことが起こらないように改めて徹底したい」と陳謝した。 11月29日、日本テレビは渋野と大会を主催するJLPGAに正式に謝罪。30日の定例会見で日本テレビの小杉善信社長は、「軽率な行為により渋野選手はもとより、日本女子プロゴルフ協会、スポンサー各位、ファンにご迷惑をおかけしました」などと謝罪して再発防止を誓った。 ただ、この問題は日本テレビの謝罪だけで終わりそうにもない。