馬場咲希に教えた腕の振り方。「縮こまったフィニッシュを取るのはやめよう」【謎キャラコーチ『わきゅう』の気になる話 ♯93】
米LPGAのQシリーズを見事通過し、来シーズン、米LPGAツアーに参戦する馬場咲希プロを中学1年から指導しているのがプロコーチの坂詰和久(さかづめかずひさ)、通称『わきゅう』だ。2024年のレッスン・オブ・ザ・イヤーに輝いた坂詰コーチと20年以上の付き合いがあるベテラン編集者Oが、謎キャラコーチの気になる話を聞き出す。今回は「フィニッシュ」がテーマだ。 スコッティ・シェフラーのドライバー連続写真(正面)
O編 今回は、フィニッシュについて聞きたいんだけど、選手に教えるとき、大事にしていることはある? 坂詰 打った後すぐに左腕をたたんで、縮こまったフィニッシュを取るのはやめよう、って言ってます。それって、体を止めて腕を振っている証拠ですからね。基本的に、左腕はなるべく伸ばしたまま体の回転でフォローを取る。それで行けるところまで行って、最後に左腕を脱力するような感じにしたいんですよ。 O編 最低でもフォローでクラブが腰の高さに来るまでは左腕を伸ばして使いたいって言ってたよね? 坂詰 一般のゴルファーの場合は、 そのあたりが目標になると思います。 O編 そこからは腕をたたんでもいいんだね。 坂詰 ただ、プロの場合は、柔軟性にもよるけれど、胸とか肩の高さまで、できるだけ腕を伸ばしたままフォローを取ってもらいたいんです。わかりやすく言うと、ザック・ジョンソンみたいな感じですね。
O編 そうすることで、クラブヘッドと体との距離が変わらないから正確性、反復性が上がってるってことかな。 坂詰 そういうことです。ただ、これを教えると、みんな「飛距離が落ちそう」って言うんですよ。 O編 腕の振りを抑えるからね。 坂詰 でも、ちゃんと体で打てるようになれば飛距離は落ちないんです。飛距離が落ちるのは、まだまだ脚や体で打てていない証拠なんですよ。とにかく、クラブを首に巻き付けるようなフィニッシュを意識しすぎると、腕のたたみが早くなって、体の回転が止まりやすいので注意したいですね。 O編 クラブが首に巻き付くフィニッシュを取りたいと思ってる人は多いよね。 坂詰 ドライバーなんかはいいと思うんです。長いクラブを振り切ったら、フォローで腕が体から離れるので、クラブが首に巻き付きやすいですからね。でも、目標を狙い打つアイアンやウェッジは、なるべく体と腕を同調させておきたいので、そういうフィニッシュは必要ないんですよ。 ほら、ラインを出すときって、クラブを首に巻き付けたりしないでしょ? O編 あぁ、狙い撃ちをするときは、腕のたたみを抑えてフィニッシュするよね。 坂詰 馬場(咲希)ちゃんも、アイアンを打つときには、腕を長く使ってますよ。さっさと腕をたたんで、クラブを首に巻き付けたりしたらボクに叱られるから(笑)。とにかく、プロには、手が体から遠いままフォローを取って、フィニッシュを迎えてほしいんです。スコッティ・シェフラーのアイアンショットを見てください。もう、ずーっと手が遠いままでしょ。ホント、最高ですよ。
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