阪神は4球団競合の”超スラッガー”佐藤輝明を育てることができるのか…元近鉄監督の佐々木恭介氏が疑問
関西地区大学野球選手権が6日、大阪市の南港中央野球場で開幕。近大の4番・サードで出場した阪神のドラフト1位の佐藤輝明(4年、仁川学院)は7回に右翼フェンス直撃の2点タイムリー三塁打を放つ活躍を見せて大商大を6―3で下し決勝進出を果たした。自慢の守備でも好プレーを連発。一級品であることを証明する一方で、課題点もさらけだし、来年クラブへ迎え入れる選手が出場していたためネット裏で視察していた元近鉄監督で、阪神でも打撃コーチの経験のある大和高田クラブ監督の佐々木恭介氏(70)は「(競合した4球団で)一番嫌だった球団に入ったんじゃないか」と、阪神の育成能力について疑問を呈した。
フェンス直撃の2点タイムリー三塁打
華がある。 4ー2と勝ち越した直後の7回2死一、二塁。押せ押せムードの中で、4番の佐藤が打席に入ろうとすると、勝負所とみた田中秀昌監督が三塁側ベンチから身を乗り出してゲキを飛ばした。 「佐藤、佐藤!ここやぞ」 その声に主砲は静かにうなずくと、高めに来た初球をとらえた。打球は高々と舞い上がり、右翼後方へ。 「行け!入れ!」 指揮官の絶叫及ばず、3ランとはならなかったものの、打球は両翼98メートルのフェンス最上部を直撃した。ここからの佐藤のベースランニングが速かった。打球が処理される間に、悠々と三塁ベース上に立っていた。勝利を決定的にする2点タイムリーツーベースだ 「手応えはあった。行ったかなと思ったんですが、パワーが足りませんでした」 佐藤は苦笑いした。 MAX143キロ左腕の花村凌(3年、神戸国際大付)は、虎のドラ1のパワーに脱帽していた。 「甘く行った球は見逃してくれない。詰まった感じでも距離が出る。三塁打は低めを狙ったボールが高く行きました」 その前の打席はレフトフライに抑えたが、その直前にライトポール際にあわやの大飛球を打たれている。 先発の伊原陵人(2年、智弁学園)は2打席対戦して死球と空振り三振だったが、佐藤にオーラを感じたという。 「打席に立つと一段と大きく見え、どこに投げても打たれそうでした。とにかく、腕を振って自分のピッチングをしようと心掛けました。三振はスライダー。いいところに投げられた。少し自信になりました」