「ファンの皮肉がすべて悪いわけではないかもしれない」

日中戦では一部の中国サポーターの愚行が問題となった。写真：梅月智史（サッカーダイジェスト写真部／現地特派）

　先日の北中米ワールドカップ・アジア最終予選第６節で、日本代表は中国代表とアウェーで対戦。序盤は苦戦したものの、３－１で勝利を収めた。 【画像】“世界一美しいフットボーラー”に認定されたクロアチア女子代表FW、マルコビッチの厳選ショット 　中国国内では、第１節の対戦で０－７の歴史的惨敗を喫していただけに、グループ首位を独走する日本に対して善戦し、「よくやった」という楽観的な見方も少なくなかった。 　サッカーダイジェストWebでは、そんな空気に対して、中国国内から「プライドの欠片もない」「たった１点を奪っただけで、W杯で勝ったかのようだ」「悲しすぎる。理解不能だ」といった不満の声が出ていることを取り上げた記事を掲載した。 　すると、中国のポータルサイト『捜狐』は、その記事に対する日本のファンからの反応に注目。「日本のファンは中国代表がW杯に出場することを望まない。中国が４位に入ると思っていない」と伝えた。 「今回のW杯予選で中国代表の日本戦のスコアは悲惨なものではなかったが、その光景は人々に無力感とあからさまな自嘲の匂いを嗅ぎ取らせた。試合後、インターネット上では『敗北の栄誉』という言葉が広く流布され、まるで誰もが解答が詰まった試験用紙は不合格だったが、それは慰めでもあったと判断したようだった」 　記事は「日本が予選を突破した後、残りの試合で一生懸命プレーする必要はなく、（他のチームに勝つことで）中国を助けたくない」という意見に着目。「これは悲痛だが、よく考えてみると、根拠がないわけではない。スケジュールを見れば、日本は次の試合に勝てば、最終予選突破を確定できる。つまり、次の試合では、トレーニングに集中するか、ペースを落とす可能性が高い」と見立てた。 　また、「国歌斉唱中に相手をブーイングしたり、レーザーポインターを使って選手を妨害したり、フィールドの幅を狭めたりといったことを変えないのであれば、中国代表にW杯に出場してほしくない」という声には、こう反応している。 「この不満は少々過剰だが、同時に我々に次のことを思い出させる。ピッチ上で失点するのはそれほどひどいことではないが、ピッチ外で失点するのは本当に頭痛の種だ」 　同メディアは他にも、「中国はW杯にまだ遠い」「グループCで４位になったとしても、次のステージで勝てるのか？」といった声があると紹介し、こう締め括っている。 「ファンの皮肉がすべて悪いわけではないかもしれない。時には、他人の疑念も思い出させてくれる。私たちは本当に準備ができているだろうか？ワールドカップ出場が『経験しに行く』だけの旅だとしたら、その夢は浅はかすぎる」 構成●サッカーダイジェストWeb編集部