「大相撲には似合わない」藤井康生アナが異例の苦言 そのとき何が? 熱戦の陰で問題視された観客のマナー
<大相撲十一月場所>◇福岡・福岡国際センター 元NHK大相撲中継の実況でお馴染みの藤井康生アナウンサーが、今場所の千秋楽の小結・正代(時津風)の一番におけるファンの振る舞いについて異例とも言える苦言を呈する一幕があった。 【映像】藤井アナ、たまらず苦言「実際の様子」 今年最後の大相撲十一月場所は24日、大関・琴櫻(佐渡ヶ嶽)が自己最高となる14勝(1敗)、さらに21年ぶりにとなる千秋楽での大関同士の相星対決を制して見事な初優勝を果たした。大関5場所目、27歳での初賜杯は祖父で先代師匠の元横綱・琴櫻と同じ。「琴櫻」が51年ぶりに賜杯を抱き、ファンが熱狂した。その一方で、今場所は制限時間いっぱい、軍配が返ってからの自分本位な掛け声や手拍子など、観客のマナーについて気になる点も散見された。力士の真剣勝負を見守り、後押しするファンのあるべき姿とは――。 十四日目、前頭十三枚目・竜電(高田川)が人気力士の前頭七枚目・遠藤(追手風)を寄り切って4勝目を挙げた一番でのこと。行司軍配が返るも、館内からは「遠藤」「えんどーーー」と大人と子どもの大きな声が交互に、繰り返し館内に響いた。これが影響したか、一度目の立ち合いは竜電がつっかけて不成立に。二度目の立ち合いでも声援は止まず、むしろ「えんどーーーーーーーう」と長く大きな大人の声援も聞こえるほどだった。結局、立ち合いの瞬間まで声は止まず、竜電に寄り切られた遠藤は負け越しとなった。この状況を受け「集中できない」「タイミング考えて」「大人も一緒にとかあり得ない」などファンからも怒りの声があがった。 それは千秋楽でも… 三段目二十三枚目・御雷山(錣山)と三段目十六枚目・峰洲山(鳴戸)の取組。ここでも声援とは似て非なる“異質”な掛け声が続いた。一部のファンの自分本位な振る舞いに「つまみ出せ」「隣の席なら最悪」といった声も寄せられたが、日本相撲協会ホームページ内にある『相撲競技観戦契約約款』第3章「観戦」第8条「禁止行為」において「過剰な応援、その他理由の如何を問わず、他の観客に損害を及ぼしうる行為」「その他相撲競技の進行及び施設管理の運営に妨げとなる、または他のお客様に迷惑を及ぼすと判断する行為」などと明記されている。 話を戻して、千秋楽の正代の取組。制限時間いっぱい後に鳴り響いた手拍子と正代コールを経て、“正代コール”については立ち合いの直前まで続いた。正代にとってはご当地となる九州場所。さらに大関から一時は前頭十枚目まで番付を落とすも、小結まで巻き返して迎えた今場所だけに、館内の声援が熱を帯びるのは当然の流れだが、ここで藤井アナがたまらずに口を開いた。 「このところ毎日、正代への手拍子の声援…これは本当に大相撲には似合わない。そんな気がいたします」 たしかにタイミングは一考すべきだろう。実際に正代ファンからも「正代がかわいそう」「コール嫌だ」「手拍子やめて」「さすがに品がない」といった声が相次いでいたほどだ。正代はこの一番で前頭四枚目・欧勝馬(鳴戸)に敗れ、11敗目(4勝)を喫している。 来年1月12日(日)から東京・両国国技館で行われる初場所では、二場所連続優勝で綱取りを目指す琴櫻と、今場所で惜しくも自身2度目の優勝を逃すも13勝2敗の好成績で令和6年を締めくくった豊昇龍との“ダブル綱取り”の可能性が浮上している。興奮必至の初場所では、ファンの振る舞いにも視線が注がれることになりそうだ。(ABEMA/大相撲チャンネル)
ABEMA TIMES編集部