三塁?それとも外野?阪神が引き当てた大物スラッガー佐藤輝明のポジション問題が正式契約前に浮上
阪神の矢野監督(51)が27日、大阪府東大阪市の近大キャンパスを訪れ、前日のドラフト会議で、4球団競合の末、交渉権を手にした佐藤輝明(21)への指名挨拶を行った。矢野監督は、「40(本塁打)-40(盗塁)を目指して欲しい」と、夢のような目標達成を熱望したが、一方で入団前から「どこを守るか」のポジション問題が浮上。佐藤は内外野OKの万能選手だが、近大陣営は、本塁打王争いをしている4年前のドラフト1位、大山悠輔(25)とのホットな三塁争いに参戦することを希望したが、矢野監督は「チーム事情で外野」との構想を明らかにした。
「40(本塁打)ー40(盗塁)を狙え」
2人の野球観は近いようだ。細井美彦・近畿大学学長を交えた阪神の指揮官とアマチュアナンバーワンスラッガーの初面談は終始和やかな雰囲気に包まれた。 挨拶の冒頭。矢野監督から「ホームランを打つのは当たり前。苦しいときほど明るく楽しくプレーしてほしい。凡打しても全力で走る姿を子どもたちに見せ、あんな選手になりたいと思われるように」とふられた佐藤は、「僕自身も野球を楽しんでやってきました。でも、プロに入って苦しいときもあると思います。そのときはアドバイスをお願いします」と頭を下げると、「喜んで!」と監督も即答した。 約40分の面談を終えるとテレビカメラ7台、60人近い報道陣の前での会見が始まった。「交渉権確定」とのスタンプが押されたドラフトの“当たりくじ“をプレゼントされた佐藤は表情を緩め、矢野監督の第一印象を「格好いいですね」と語り、矢野監督が「興奮して、きのうはよく寝られなかった。いまも興奮が続いている」と打ち明けると、「ぐっすり眠れました、僕は」と返した。大物ぶりに、「スケールが違うな」と指揮官は頼もしげに笑い飛ばした。 「タイガースファンはどんどん大きな夢を描いている。僕もその夢をファンの人と一緒に追い掛けていきたい」と、惚れ込む矢野監督は、佐藤にハイレベルな“目標達成”を熱望した。 「ホームラン王は狙うべき。トリプルスリーのさらに上の『40(本塁打)-40(盗塁)』も狙って欲しい。誰も追いつかないようなところまでいってもらえたら」 過去に西武時代の秋山幸二氏が43本塁打、38盗塁と最も近づいているが、NPBでは誰も達成しておらずメジャーでも4人しか成し遂げていない大記録達成を熱望した。