事故原因は「強風なのに 出航した」こと!『 もっと“最悪”なのが、波の中での「2人乗り」』 【琵琶湖 「水上バイク」 遭難事故 】 チャンピオンが語る、 素人の無謀さと、波の恐しさ
年に数回しか乗らない人は、何年経っても「ビギナー」という自覚が必要
―― 荒れた水面でのビギナーの「2人乗り」は無謀と言いますが、水上バイクの場合、子どもや女性を後ろに乗せることも多いですよね。 村尾 平水なら、女性や子どもを乗せても問題はありません。僕が言っているのは「大波のなか」です。 キツい言い方になりますが、どれだけ運動神経に自信があっても、年に数回しか乗らない人は、何年経ってもビギナーです。 ―― なぜ、大波の中で2人乗りをするのが、それほど危険なのですか? 村尾 後部座席の人にしがみつかれて、ライダーも一緒に振り落とされる危険があるからです。大波の中ではさまざまな方向に「G」が掛かります。常に、「ロデオ」のような暴れ馬に乗っている感じです。 ―― 操縦者は、自分で操縦している分、波の予測はできます。でも、後部座席の人からすれば、「ロデオ」どの方向に「G」が掛かるかなんて 予測できません。 村尾 そうなんですよね。後ろの人は前が見えない分、自分がどっちに吹っ飛ばされるかなんて分からない。ライダーにしがみついているだけですから。慣れていても、大波の中で 水上バイクの動きなんて 予測できませんよね。 だから、同じように予測できる人。つまり、「自分より上手な人」としか、大波を“さばいて 走る”なんて無理なんです。
水上バイクは、大波の中でも走行が可能だが、水上バイクを 思い通り操れる 高い“スキル”が必要
―― 世界的なサーフィンの大会のなかには、高低差20メートルを超える巨大な波の中で行われるものがあります。その際、2人一組でペアを組んで、片方が水上バイクを操船し、サーファーを目的の波まで連れていきます。そして、大波で転倒するとその水上バイクがレスキューしますよね。 村尾 あれが、大波の中で「2人乗り」をする基本です。2人ともサーフィンのスキルだけでなく、水上バイクの操船スキルも超一流なんです。何しろ、命がかかっていますから。 ―― 水上バイクは練習を積み重ねることで、20メートル級の大波の中でも走れるということなのですね。 村尾 はい。「大波の中を走る」というのは、本来、それくらいの覚悟を持ってほしいです。 ―― あくまで仮定の話ですが、災害級の津波くらいの波のなかでも、走れる自信がありますか? 村尾 走るだけなら問題はないと思います。そこで、フリースタイル技(トリック)をやれと言われたら、ちょっと考えてしまいます。
【関連記事】
- 一晩中 沈まずに 琵琶湖に浮いていた理由は、国が認定した「ライフジャケット」を着用していたから! 認定品以外では“沈んでいた”かもしれない?【琵琶湖・「水上バイク」 遭難事故】
- 【国が認定した「ライフジャケット」って“何”だ?】 ご存じですか?「水上バイク」に乗る場合、国が認定した「ライフジャケット」の着用が、法律で義務付けられているのです!
- 一晩中 浮いていた男性、 琵琶湖の真ん中で 発見される!【琵琶湖「水上バイク」 遭難事故】 行方不明・2人の無事が確認!マリーナの関係者が発見し無事に救助!
- 負け惜しみ『 "水上バイク"なんて ツマラナイ・すぐに"飽きる" 』は ホント なのか !?
- 」たった1カ月で、5件も発生!【命を預けることになる・安易に乗らないで】 多発する「トーイングチューブ」の事故