フランス人に「前髪」「ショートヘア」の女性が少ない意外な理由。日本人の髪形はどう思われている?
日本では、「前髪」のあるヘアスタイルが男女ともに浸透しています。艶のある前髪とストレートヘアの組み合わせは清潔感も抜群で、シャンプーのCMでもよく見かけるほど一般的です。 【写真を見る】フランスの「便座がないトイレ」 しかし筆者の住むフランスでは、ヘアケア製品の広告で「前髪あり」のモデルを見たことがありません。実際に街を歩いていても、ほとんどの人が「おでこを出した」ヘアスタイルをしています。
◆フランス人はなぜ前髪を作らない?
ファッションにしてもヘアスタイルにしても、「自由」と「個性」を最重要視するフランス。そのため、髪形を選ぶ際も「若々しく見られたい」「親しみやすい印象を与えたい」といった“他人からの評価”を気にすることがありません。
▼ナチュラルを好む国民性
ルックスに関して、フランス人は「ナチュラルが一番いい」と口々に言います。メイクはかなり控えめですし、ファッションは動きやすいパンツスタイルが主流。髪形も同様で、完璧に整ったものよりは、少しラフで無造作なスタイルが好まれています。 ということで、切りそろえられた「ぱっつん」前髪やきれいにセットされた前髪は、成人女性の間ではあまり一般的ではありません。たまに見かけることがあっても、それはインフルエンサーやヘアスタイリスト、芸能人といった一部の人々であり、「ファッションの一環」として取り入れられていることがほとんどです。
▼くせ毛問題
フランス人が前髪を作らない理由には、髪質の違いも大きく関係しています。ヨーロッパ系のフランス人は、髪の毛が非常に柔らかく、全体的にくるくるとしたウェーブがかかっています。前髪を作ろうと思ってもこのくせ毛が邪魔してしまい、自分の思った通りにスタイリングできないのだそうです。 また、北アフリカ・アフリカ系フランス人の場合も、髪に強いカールがかかっていることが一般的で、直毛スタイルにするにはセットにかなりの時間を要します。 フランス人にとっては、「真っすぐそろった前髪」を維持するのは至難の業。朝の仕度に時間をかける人もほとんどいませんから、多くの人が「ナチュラルなまま出かけていく」のです。