事故原因は「強風なのに 出航した」こと!『 もっと“最悪”なのが、波の中での「2人乗り」』 【琵琶湖 「水上バイク」 遭難事故 】 チャンピオンが語る、 素人の無謀さと、波の恐しさ
大波の中でも「水上バイク」は走行できるが、危険を伴う
9月22日に起きた、「 琵琶湖 「水上バイク」 遭難事故 」の原因のひとつに、強風の中、出航したことにある。 風によって起こった大波により男女2名が落水し、一時行方不明となった。 幸いにも2人は無事に救助されたが、水上バイクの場合、波にもまれて落水するケースは非常に多い。 他の船舶に比べて、水上バイクは 大波の中でも「高度な 操船技術を持つ人」なら 走行することが可能だ。 しかし、一般的に 風の強い日は 水面が荒れることが多いので、水上バイクに乗るのは 危険とされている。 こういった落水事故について、国内のウェーブライドの第一人者であり、全日本チャンピオンでもある村尾高明選手に、このような事故が起きないよう、具体的に「何が、どう危険なのか」を 語ってもらった。
大波の中で安全に走るには、「苦しいくらいの練習を、長期間する必要がある」
―― 今回、2人乗りで落水し、男性が一晩漂流するという事故が起きました。この件に限らず、水上バイクでの落水が最近、多いように思います。 村尾さんのように、大波のなかでも水上バイクで走るだけのスキルを身につけるには、どれくらいの時間がかかるものなのですか? 村尾 大波の中でも走行できるようになるには、短時間では無理です。「長く、苦しいほどの練習」が必要です。また、そういう波のときは、僕は1人で乗ります。 正直なところ、「2人乗り」で波のある水面を走るのは、非常に危険なんですよ。 ―― どういうことですか? 村尾 水上バイクに乗る人数が、増えれば増えるほど危ないんです。 水上バイクに慣れていない人や初心者が後ろに乗った場合、「僕でも」落水します。大波の中で後部座席に乗せて良いのは、「自分よりも上手い人」のみです。 ―― 上手い人でないと、後ろに乗せるのが危険なのですか? 村尾 大波の中では、後ろに乗る人も、ライダーと同様の体重移動をしてくれないと、まともに走れません。 ―― ハンドルを握っていなくても、操船者とシンクロした動きで船体をコントロールさせる必要があるということですか? ただ後ろで座っているだけではダメなのですね。 村尾 そうです。だから、大波の中ではライダーよりも技量がある人でないと、後ろに乗せて波をさばくのは無理なんです。 僕でも、大波の中で2人乗りをする場合、乗せる人を厳選し「この人なら絶対に大丈夫」という人しか乗せません。
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