「生活が苦しい」などと、孫を思う気持ちを利用する、卑劣な詐欺の手口です。 女性職員がしっかりと、お金の使い道を尋ねて防いでくれました。 18歳の新人女性が防いだというところに、とても希望を感じます。 ただし、詐欺グループのなかには、高齢者に「お葬式のためにお金が必要」と嘘をつかせてお金を下すように指示することもあります。 その辺りの詐欺の手口へのレクチャーはすでにできていると思いますが、今後、どのような形でやってくるかわかりません。 それに、師走は社会全体が慌ただしくなり、銀行においても混みあう時期となります。 詐欺グループは、人々が時間に追われて忙しくなり、詐欺への警戒感が薄くなるところを狙って、これまで以上に詐欺の電話をかけてくる恐れがあります。 これまでも、12月は詐欺の被害が増える傾向がみられますので、高齢者を見守る側も警戒の目をより強めていく必要があります。
コメンテータープロフィール
2001年~02年まで、誘われたらついていく雑誌連載を担当。潜入は100ヶ所以上。20年の取材経験から、あらゆる詐欺・悪質商法の実態に精通。「ついていったらこうなった」(彩図社)は番組化し、特番で第8弾まで放送。多数のテレビ番組に出演している。 旧統一教会の元信者だった経験をもとに、教団の問題だけでなく世の中で行われる騙しの手口をいち早く見抜き、被害防止のための講演、講座も行う。2017年~2018年に消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」の委員を務める。近著に『信じる者は、ダマされる。~元統一教会信者だから書けた「マインドコントロール」の手口』(清談社Publico)