そもそもなぜこのような制度を導入したのか、経緯の振り返りと再発防止策も必要です。 政治主導・規制改革とやらの勢いだけで暴走したエビデンスなき教育改革が繰り返されないことが重要です。 またさらなる教員志望者の減少を引き起こさないよう、オンライン研修や課題解決型のワークショップ研修など、研修自体の工夫も必要です。 私も教員免許更新講習や教育委員会主催研修に講師招聘されることもありますが、必修研修だと参加者の意欲が低く時間の無駄と思える状況もあります。 教育委員会の研修デザイン能力やそもそも研修の目的設定、目的に照らし合わせて効果的な研修とはどのようなものか検証も、教員ニーズの反映も不足しており、教育委員会マネジメント改革も急がれます。 各教員のキャリア、学位、経験年数や教員自ら育成したい専門性が異なるので一斉一律の研修講習ももう時代遅れではないでしょうか。
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コメンテータープロフィール
末冨 芳(すえとみ かおり)、専門は教育行政学、教育財政学。子どもの貧困対策は「すべての子ども・若者のウェルビーイング(幸せ)」がゴール、という理論的立場のもと、2014年より内閣府・子どもの貧困対策に有識者として参画。教育費問題を研究。家計教育費負担に依存しつづけ成熟期を通り過ぎた日本の教育政策を、格差・貧困の改善という視点から分析し共に改善するというアクティビスト型の研究活動も展開。多様な教育機会や教育のイノベーション、学校内居場所カフェも研究対象とする。主著に『教育費の政治経済学』(勁草書房)、『子どもの貧困対策と教育支援』(明石書店,編著)など。
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