関係者にはただひたすらコストばかりが大きく、その効果はほとんど感じられないという無駄の象徴のような制度が、ようやく終わります。 一方で記事にあるとおり、免許更新制度は「発展的に解消する」とされており、その先には「新たな研修制度の創設」が目論まれています。それが結局のところ、強制的な官製研修として、教員を数日間にわたって拘束するものだとすれば、何の意味もありません。 学校の働き方改革については、まずは国自身が教育現場に課しているさまざまな業務を削減すべきです。その意味では、今回の制度改変は、国自身は現場への直接的な負荷を減らしたようにも見えます。でも結局たとえば、新たな研修制度として教育委員会が免許更新制度講習と同等の研修を提供するとなれば、看板をかけかえただけの悪質な改革とも言えます。免許更新制度廃止の「その先」を注視していく必要があります。
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コメンテータープロフィール
学校リスク(校則、スポーツ傷害、組み体操事故、体罰、自殺、2分の1成人式、教員の部活動負担・長時間労働など)の事例やデータを収集し、隠れた実態を明らかにすべく、研究をおこなっています。また啓発活動として、教員研修等の場において直接に情報を提供しています。専門は教育社会学。博士(教育学)。ヤフーオーサーアワード2015受賞。消費者庁消費者安全調査委員会専門委員。著書に『ブラック部活動』(東洋館出版社)、『教育という病』(光文社新書)、『学校ハラスメント』(朝日新聞出版)など。■依頼等のご連絡はこちら:dada(at)dadala.net