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西山隆行

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成蹊大学法学部政治学科教授

報告

補足ハリスが大統領に就任した暁には共和党員を閣僚に起用する意向を示したようですが、分断が鮮明になっている米国において、全国民のための大統領になるのだ、という意思を示したものと思われます。オバマ大統領までは皆「全国民のための大統領」となると発言していましたが、トランプがその伝統を破りました。 閣僚に他党の人材を任用するのは、さほど珍しいわけでもありません。共和党のブッシュ政権時のノーマン・ミネタ運輸長官は民主党系の日系人でした。民主党のオバマ大統領は、ブッシュ政権で国防長官を務めたロバート・ゲーツに留任を要請しましたし、後に共和党上院議員を務めたチャック・ヘーゲルを国防長官に充てました。共和党政権の元高官らがハリスを支持する書簡を発表するなどしていますが、トランプ政権で政治任用されないと判断した共和党系エリートもハリス政権での任用を目指しています。

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同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 渡辺靖

    慶応大学SFC教授/現代アメリカ論

    見解古くはリンカン大統領、最近ではオバマ大統領が用いた「チーム・オブ・ライバルズ」の考え方です。かつて政…続きを読む

  • 飯塚真紀子

    在米ジャーナリスト

    補足多様性に対して批判的な姿勢を示しているトランプ氏と差別化する、民主党大統領候補らしい発言だと思います…続きを読む

コメンテータープロフィール

西山隆行

成蹊大学法学部政治学科教授

専門はアメリカ政治。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、博士(法学)。主要著書に、『アメリカ大統領とは何か:最高権力者の本当の姿』(平凡社新書、2024年)、『混迷のアメリカを読み解く10の論点』(共著、慶應義塾大学出版会、2024年)、『〈犯罪大国アメリカ〉のいま:分断する社会と銃・薬物・移民』(弘文堂、2021年)、『格差と分断のアメリカ』(東京堂出版、2020年)、『アメリカ政治入門』(東京大学出版会、2018年)、『アメリカ政治講義』(ちくま新書、2018年)、『移民大国アメリカ』(ちくま新書、2016年)、『アメリカ型福祉国家と都市政治』(東京大学出版会、2008年)など。

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