見解リズ・チェイニーは下院共和党のNo.3でしたが、2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件を批判したことでトランプと対立するに至りました。チェイニーはトランプとトランプ派議員を落選させるために何でもすると公言し、ハリスを支援しています。トランプがチェイニーのことを快く思っていないのは間違いないでしょう。とはいえ彼女を「小銃の標的にしてみよう」と発言するのはさすがに常軌を逸していると言わざるをえません。このような問題発言をしても大きな失点とならないというのは他の候補については考えにくく、トランプの岩盤支持者の団結の強さに驚かされます。
コメンテータープロフィール
専門はアメリカ政治。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、博士(法学)。主要著書に、『アメリカ大統領とは何か:最高権力者の本当の姿』(平凡社新書、2024年)、『混迷のアメリカを読み解く10の論点』(共著、慶應義塾大学出版会、2024年)、『〈犯罪大国アメリカ〉のいま:分断する社会と銃・薬物・移民』(弘文堂、2021年)、『格差と分断のアメリカ』(東京堂出版、2020年)、『アメリカ政治入門』(東京大学出版会、2018年)、『アメリカ政治講義』(ちくま新書、2018年)、『移民大国アメリカ』(ちくま新書、2016年)、『アメリカ型福祉国家と都市政治』(東京大学出版会、2008年)など。