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2024年米大統領選の重要争点:人工妊娠中絶、不法移民・治安、労働問題、銃規制 #専門家のまとめ

西山隆行成蹊大学法学部政治学科教授
(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

2024年米大統領選挙の第一回候補者討論会が6月27日(日本時間では28日)に実施されます。人工妊娠中絶の問題、不法移民対策と治安の問題、白人労働者層を取り巻く問題、銃規制について、両候補によって論戦が繰り広げられることが予想されます。それぞれの争点の位置づけについて、確認しておくことにしましょう。

ココがポイント

▼2022年の連邦最高裁判例で人工妊娠中絶の権利が否定されました。中絶の是非をめぐって論争が繰り広げられています。

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▼不法移民対策と治安問題をトランプは主要争点と掲げています。民主党内でも議論の風向きが変わりつつあります。

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▼トランプの岩盤支持層となったとされるラストベルトの白人労働者層の支持を、バイデンとトランプが奪い合っています。

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▼銃規制の是非をめぐっては、米国内で常に論争が繰り広げられています。

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エキスパートの補足・見解

2024年米大統領選はバイデンとトランプの再戦となりそうですが、候補者討論会では2020年選挙と同じ争点をめぐって論争が繰り広げられることになりそうです。「二つのアメリカ」と称されるほどに分断が鮮明になっている現状では、両候補ともに相手を非難し自陣営を団結させるために主張を繰り広げる可能性が高そうです。有権者は両候補に不満を感じているとの世論調査もありますが、それは大統領に変革を期待する気持ちの強さの裏返しでしょう。討論会で建設的な議論が展開されて、変革への糸口が見つかればよいのですが、どうなるでしょうか。討論会の行方に注目していただきたいと思います。

成蹊大学法学部政治学科教授

専門はアメリカ政治。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、博士(法学)。主要著書に、『アメリカ大統領とは何か:最高権力者の本当の姿』(平凡社新書、2024年)、『混迷のアメリカを読み解く10の論点』(共著、慶應義塾大学出版会、2024年)、『〈犯罪大国アメリカ〉のいま:分断する社会と銃・薬物・移民』(弘文堂、2021年)、『格差と分断のアメリカ』(東京堂出版、2020年)、『アメリカ政治入門』(東京大学出版会、2018年)、『アメリカ政治講義』(ちくま新書、2018年)、『移民大国アメリカ』(ちくま新書、2016年)、『アメリカ型福祉国家と都市政治』(東京大学出版会、2008年)など。

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