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川上泰徳

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中東ジャーナリスト

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見解ガザは冬は最低気温が10度を切る日が続き、地中海に面していることから雨も多く、風も強いため、テント生活や瓦礫の間で暮らしていると体温が奪われる。電気もなく、灯油などの燃料もなく、毛布もなく、さらに食糧も不足して栄養失調ととなれば、乳幼児の凍死が相次ぐのは当然である。イスラエルによる封鎖や妨害、軍事作戦の継続で、国際的な支援が届いていないことも子供の環境の悪化の大きな要因である。特に、ガザ北部は10月初めまでは40万人いた人口が、イスラエル軍による攻撃激化によって、現在は1万から1万5千人になったとされ、病院や学校などの避難所も攻撃され、この冬場に避難民が急増したことも状況悪化につながっている。ガザ全体では毎月5000人以上の新生児が生まれ、一歳未満の乳児だけでも6万人から7万人いる。2月末までは寒い冬であり、早急に国際的な人道措置や政治対応をとらねばさらに多くの乳幼児の命が失われるだろう。

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同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 三牧聖子

    同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

    解説極度に非人道的な事態だが、この凄惨さや原因を明確に伝えない欧米の主要メディアにも批判が高まっている。…続きを読む

コメンテータープロフィール

元朝日新聞記者。カイロ、エルサレム、バグダッドなどに駐在し、パレスチナ紛争、イラク戦争、「アラブの春」などを現地取材。中東報道で2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。2015年からフリーランス。フリーになってベイルートのパレスチナ難民キャンプに通って取材したパレスチナ人のヒューマンストーリーを「シャティーラの記憶 パレスチナ難民キャンプの70年」(岩波書店)として刊行。他に「中東の現場を歩く」(合同出版)、「『イスラム国』はテロの元凶ではない」(集英社新書)、「戦争・革命・テロの連鎖 中東危機を読む」(彩流社)など。◇連絡先:kawakami.yasunori2016@gmail.com

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