見解本件、すでに2017年5月に4省庁連名（消費者庁・農林水産省・環境省・厚生労働省）で、飲食店などにおける「食べ残し」対策に取り組むに当たっての留意事項と題した通知が出されています。ここに「消費者は自己責任で持ち帰るべき」ということや、基本的に「食べ切りを促進し、食べ残しを減らす」ことが大切だと書いてあります。にもかかわらず、7年以上経っても、「消費者は自己責任で持ち帰り」ということが浸透していません。また、実際に飲食店に持ち帰りを頼んでも、中華料理のような火を通した料理でも「保健所がうるさいからダメ」と断られたり、フランスパンを切っただけのものでも「食品衛生上、持ち帰りは一律禁止」と言われたりします。このガイドラインが出されたのは一定の効果があります。が、前回の通知のように、形式だけに終わると残念です。きちんと実効性のあるものにして頂きたいですし、消費者は自己責任をきっちり留意すべきです。
コメンテータープロフィール
奈良女子大学食物学科卒、博士（栄養学/女子栄養大学大学院）、修士（農学/東京大学大学院農学生命科学研究科）。ライオン、青年海外協力隊を経て日本ケロッグ広報室長等歴任。3.11食料支援で廃棄に衝撃を受け、誕生日を冠した（株）office3.11設立。食品ロス削減推進法成立に協力した。著書に『食料危機』『あるものでまかなう生活』『賞味期限のウソ』『捨てないパン屋の挑戦』他。食品ロスを全国的に注目させたとして食生活ジャーナリスト大賞食文化部門/Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018/食品ロス削減推進大賞消費者庁長官賞受賞。https://iderumi.theletter.jp/about
